特発性間質性肺炎とは ~ 細菌、ウイルス感染とは異なる肺炎 ~

2017/9/29

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

間質性肺炎の中で原因が不明なものの総称を突発性間質性肺炎と呼びます。この病気は、厚生労働省の難病に指定されています。ここでは、特発性間質性肺炎について解説します。

特発性間質性肺炎の症状

特発性間質性肺炎には、初期症状がほとんどみられません。乾いた咳や痰が気になり病院を受診した際に判明することが多く、病状がある程度進行すると、息切れや呼吸困難感などの症状があらわれます。さらに進行すると、チアノーゼや浮腫がみられることもあります。

また、合併症として、肺癌や肺高血圧、様々な呼吸器感染症を合併することもあるので注意が必要です

特発性間質性肺炎を発症する原因

間質性肺炎のなかでもはっきりした原因が特定できないもの(=特発性)を、特発性間質性肺炎といいます。

発症する仕組みはまだわかっていませんが、環境的要因に遺伝的要因が重なって引き起こされるのではないかということが考えられています。
また、多くの特発性間質性肺炎患者は喫煙者であるため、喫煙は発症のリスク因子であると考えられています

発症すると、どんな経過をたどるのか

特発性間質性肺炎には主に6つの病型と、分類不能型に分類されます。特に多いとされているものが特発肺線維症であり、次に特発性非特異性間質性肺炎、次いで特発性器質化肺炎とされています。

特発性肺線維症

特発肺線維症は特発性間質性肺炎のうちでももっとも重篤な疾患です。肺の線維化が徐々に進行していきます。経過は個人差が大きく比較的ゆっくり病状が進んで行くこともあれば、急性増悪と言って急激に呼吸状態が悪くなることもあります。線維化を遅らせる治療薬はありますが、根本的な治療法は未だありません。

非特異性間質性肺炎・器質化肺炎

一般的に非特異性間質性肺炎や器質化肺炎は、特発性肺線維症に比べるとある程度病状は軽く、治療に良く反応するといわれていますが、中には軽快と増悪をくり返しながら悪化していく場合もあります。

特発性間質性肺炎の治療法

治療法は、病型により異なります。特発肺線維症がある程度進行している場合、個人差はありますが、抗線維化薬の使用で進行を緩やかにすることができるとされています。

病型によってはその他の治療法として、場合によっては免疫抑制剤や副腎皮質ホルモンの使用が検討されることがあります。また、病気が進行し、呼吸不全を起こした場合、酸素吸入が必要となることもあります。ウイルスに感染することで症状が悪化する可能性もあるため、手洗いやうがいを徹底し、肺炎球菌やインフルエンザの予防接種が推奨されることもあります。

予防法

原因がはっきりしていないため確実な予防は難しいですが、発症には喫煙との関係性が示唆されているため、喫煙を控える、もしくは禁煙することがこの病気の予防に役立つ可能性がああるでしょう。

おわりに:発症した場合は、体に負担をかけないように過ごそう

特発性間質性肺炎は原因が不明なため、生活環境の改善、風邪をひかないように気をつけることが大切です。また、喫煙を控えることはこの病気の予防だけでなく体の健康のためにも重要なことです。もし、特発性間質性肺炎を発症した場合は、徐々に悪化していく場合もあるため、体に負担をかけないように過ごしましょう。

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