赤ちゃんに多く見られる病気、突発性発疹ってどんなもの?

2017/9/29

前田 裕斗 先生

記事監修医師

前田 裕斗 先生

赤ちゃんが突然熱を出す原因にはいろいろあり、突発性発疹もそのひとつです。0~1歳の赤ちゃんがよくかかる突発性発疹についてまとめていますので、赤ちゃんが高熱を出したときに役立ててください。

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突発性発疹ってどんなもの?

突発性発疹は、ヒトヘルペスウイルスの感染で、赤ちゃんが38度から40度に近い高熱を出し、熱が下がってから体中に発疹が現れるものです。通常、乳児期にかかる感染症で、治療経過は一般に良好といわれています。

突発性発疹の症状にはどんな特徴がある?

ヒトヘルペスウイルス6型(HHV‐6)は生後6ヶ月頃から1歳の乳児に、ヒトヘルペスウイルス7型(HHV‐7)は1~2歳の幼児がかかりやすく、季節による変化はほぼないと考えられています。

突発性発疹の症状

突発性発疹の主な症状は、高熱と全身の発疹です。
38度から40度近い高熱が出て3~4日続きます。その後、熱が下がっていくのと同時に、腹部や背部を中心に、全身に赤い発疹が数日間出現します。

高熱が出ているわりに、元気で機嫌があまり悪くならない傾向があり、かゆみがあまりないので全身に発疹が現れてから気づくことも多いです。2~3日ほどで発疹は引いていき、痕はほぼ残りません。

また、合併症として胃腸炎を発症すると、下痢の症状が現れることもあります。その他、まぶたのむくみ、リンパ節腫脹などがありますが、ほとんどは発熱と発疹のみで治ります。

発熱の初期に熱性痙攣を起こしやすいですが、障害が起こるほど重症化することはないといわれています。また、脳炎、脳症、劇症肝炎、血小板減少性紫斑病などの合併症のリスクがありますが、これは非常にまれなケースです。

突発性発疹の原因は?

突発性発疹の原因となるウイルスは、HHV‐6かHHV‐7であることがほとんどです。
HHV‐7 はHHV‐6 よりも感染が遅い傾向があります。
感染する時差により、HHV‐7による突発性発疹は2度目の突発性発疹として発症することが多くみられます。
HHV‐6、HHV‐7の2つの診断法には、他のウイルス疾患と同様、ウイルス分離、血清診断、PCR法によるウイルスDNAの検出などがありますが、現在のところいずれも健康保険の適応はありません。

赤ちゃんが突発性発疹になったときの対処法は?

中には下痢や食欲がなくなるという症状を見せることもあり、風邪の症状を伴う場合には声がかすれたりせきが出る場合もありますが、ほとんどの突発性発疹は問題なく完治します。

HHV‐6やHHV‐7に対する特効薬はないため、下痢がある場合には下痢止め薬を、かぜを伴っているときは鼻やのどの薬を、熱が高いときは解熱剤をというように、その症状を抑える対症療法を行います。

おわりに:突発性発疹を発症したら、赤ちゃんを安静にしつつ、水分補給を忘れずに!

赤ちゃんが突然の高熱を出した場合は、すぐに病院の小児科を受診し、検査と診断をしてもらいましょう。突発性発疹であれば、深刻化することはほとんどありません。医師の指示通りに治療をしていきましょう。ただし、高熱が続くので脱水症状に注意し、定期的に水分補給を行ってください。

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