鎖骨が骨折する原因として考えられることは?どうやって治すの?

2017/10/23 記事改定日: 2019/9/5
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

UネックのTシャツを着たときなどに見える「鎖骨」ですが、実は鎖骨は衝撃を受けやすく、骨折しやすい部位ともされています。以降で、鎖骨を骨折したときの症状や治療法などを解説していきます。

冷凍宅配食の「ナッシュ」
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鎖骨ってどんな形をしているの?

鎖骨は、首の付け根あたりから肩の端のほうまで伸びる左右対称の骨です。胸骨と肩甲骨をつなぐ役割があり、腕、肩、胸、背中など、たくさんの場所と関係している骨です。外から見えている部分はまっすぐに見えますが、解剖学的には、ゆるくS字状にまがっています。鎖骨があることで、腕を広範囲にわたって動かすことができます。これは、人間の最大の特徴だと言われています。

また、鎖骨には肩に加わる衝撃を受け止める役割もあり、鎖骨があるために周囲への衝撃が少なく済むようになっています。ただそのぶん強い衝撃を受けやすく、骨折しやすい場所と言えます。

鎖骨が骨折する原因は?

鎖骨が骨折する原因のひとつは、転倒です。転倒する時に強く腕をついたりすると、体重の何倍もの重さの負荷がかかり、その衝撃で折れることがあります。

スポーツが原因で起こることもあります。特にラグビーやアメリカンフットボール、柔道など、衝突を繰り返すスポーツで起こることが多いです。

子供の場合には自転車事故が原因で起こることも多く、特に自転車に乗り慣れていない時期に体ごと大きく倒れることで起こります。子供は遊びの中で大きな衝撃を受ける機会が多く、ジャングルジムから落ちたときや、走り回っていてぶつかったときなどにも骨折しやすいです。

鎖骨を骨折したときの症状にはどんなものがある?

鎖骨を骨折すると、骨折部位が激しく腫れあがり、強い痛みを伴います。痛みは肩を動かすときに強くなります。折れた瞬間にぼきっと音がすることがありますが、そのようなときは骨折部位が大きくずれていることが多く、外から見ても骨が折れているのがわかります。

また大きな衝撃を受けた時には、骨だけでなく神経も損傷し、しびれなどの症状がでることがあります。折れた側の肩幅が狭くなり、骨折部位に皮下出血を伴うこともあります。場所によっては血管を傷つけてしまうこともあり、その場合には出血で腕がパンパンに張れることもあります。

なお、鎖骨は骨折部位で変形が起こることも多いです。これは骨がずれたことにより、周囲の強い筋肉に骨が引っぱられて起こるものです。

 

鎖骨骨折はどうやって治す?

鎖骨が折れた時の治療法は、大きく分けて保存療法と、手術療法に分かれます。保存療法では骨のずれを治した後に、骨折部位を固定して骨が自然に元通りにひっつくのを待ちます。そのため時間がかかり、最低でも1~2カ月はかかります。

骨のずれが大きい場合には、手術をして骨をつなぎます。手術方法は、中に鋼線を入れて固定する方法や、金属の板をあてて固定する方法などがあります。

また、鎖骨骨折は痛みが強いため、鎮痛剤を投与して、痛みを軽減させることもあります。治療期間が長くなるので、その後に備えたリハビリも重要になります。特にスポーツ選手では、その後のことを考えて手術療法を選択し、早くにリハビリを始める人が多いようです。なお、動かせない時期が長くなればなるほど、リハビリの期間も長くなります。

おわりに: 鎖骨は転倒などの強い衝撃で折れることがあります

  • 肋骨は、さまざまな部位とつながりがある
  • 転倒したときや激しいスポーツなどの衝撃で、折れてしまうことも珍しくない
  • 折れ方によっては神経を損傷してしまうケースもある。疑わしい症状がみられたら病院へ

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