記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/10/24
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
乗り物酔いにに悩まされている人は少なくないと思いますが、その原因はご存知でしょうか?
この記事では乗り物酔いの原因の解説を通して、予防と対処法の紹介をしていきます。長時間の移動のときに役立ててください。
乗り物酔いとは、航空機や列車、自動車や船舶、遊園地の遊具などの乗り物に乗ったときに揺れや加速度によって体の内耳にある三半規管が刺激され、身体的な症状を起こすことを言います。典型的な症状としては、あくびが出たり、胃の不快感、吐き気、嘔吐などの症状が挙げられます。
また人によっては頭痛やめまいなどの症状を感じたり、ぼーっとするような状態になることもあります。どの乗り物もそうですが、一定した動きだけではなく予想外の動きが多くなると、平衡感覚の乱れが生じてしまい、それによって吐き気や嘔吐などの胃腸症状がさらにひどくなってしまうようです。また、自律神経の乱れによっても引き起こされるといわれています。
乗り物酔いの原因は、平衡感覚(三半規管)の乱れによって引き起こされますが、それ以外にも乗り物酔いしてしまうのではないだろうかと不安になることで自律神経に乱れが生じ、その結果乗り物酔いしてしまうこともあります。乗り物酔いは「行き」に起こることが多く帰りは起こりにくいといわれています。このことから考えると三半規管だけではなく不安など精神的な部分もとても関係していることがわかるのではないでしょうか。また、脳が予測したイメージと目から入ってくる情報が違うことによって脳が混乱してしまい、自律神経が乱れることも原因ではないかと考えられています。
乗り物酔いになりやすい原因の一つに体調不良があります。風邪をひいているときや空腹や睡眠不足が続いていると自律神経の乱れを引き起こしやすいため酔いやすい状況になってしまいます。バスなど長時間の移動をする旅行の際には事前に体調管理を行っておくことが大切です。
また、他の乗り物は平気だけどバスが苦手という人も多いようです。バスの揺れ方が独特なこともありますし、閉塞された空間によって不安感が強くなってしまうことも自律神経を乱してしまう原因と考えられています。バス以外の交通機関があるならばそちらを選ぶようにし、バスしか交通手段がないときは音楽などで気を紛らわせることで乗り物酔いを防げることもあります。
乗り物酔いと気付いた段階で早めに酔い止め薬を服用するようにしましょう。市販薬の中には水なしで飲めるものがあるので、用意しておくことようにしてください。また酔う可能性があるときには、事前に服用しておくこともおすすめです。
酔ってしまったと感じたら、外の空気を吸ったり、遠くの景色を見るなどの工夫をしてください。ヘッドレストから頭が離れてしまうと悪化してしまいますので、ヘッドレストに頭をつけたままにしておきましょう。また締め付けているベルトやネクタイなどを緩める、リラックスできる環境を整えてください。可能ならば一度駐車し、外に出て休憩するようにしましょう。
乗り物酔いの原因はまだ完全に解明されていません。ひとつだけの原因で起こることもあれば、複数の原因が絡み合って起こる可能性もあります。乗り物に乗る予定がある前日は十分に休息をとり、万全の健康状態で望みましょう。
また、すぐに服用できる酔い止め薬を携行したり、事前に薬を飲んでおくことも大切です。乗り物で長時間移動するときの備えはきちんと整えておきましょう。