脳卒中の 症状と特徴 ― 発症を防ぎ、発見を見逃さない方法とは

2017/10/30 記事改定日: 2018/6/12
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

脳卒中は、脳の血管が詰まったり出血することで起こります。脳の機能が障害されることで症状が現れますが、どのような症状が起こるのでしょうか。
脳卒中は早期治療が重要になるので、前兆を見逃さないための正しい知識が必要です。
この記事では、脳卒中の症状と特徴など、基礎知識をわかりやすく紹介していきます。

脳卒中の症状はなぜ起こる?

脳卒中とは、脳の血管が詰まること、あるいは脳の血管が破れることで脳に障害が起こり、様々な症状が現れる病気です。

脳が毎日機能できているのは、エネルギーとして血流に混ざる酸素や栄養が行き届いているためですが、脳卒中になって血流が滞ると、脳に対しての酸素の供給が著しく低下し、脳機能に支障が出るようになります。また血管が破れて出血が発生すると、その圧に脳が押しつぶされ、脳機能に重大な支障が発生します。

脳卒中には様々な種類の病気が含まれますが、いずれの場合も脳の機能に深刻なダメージを発生させることがあるので、非常に恐ろしい病気だと言えます。

脳卒中の症状

脳卒中は、血管が詰まるのか、破れるのか、またその病変が生じる部位によって症状は大きく異なります。
血管が詰まる脳梗塞では、手足のしびれや麻痺、言葉が出ないなどの言語障害が代表的な症状です。また、脳神経が走行する部位に病変が生じると物の飲み込みが悪くなる、呼吸ができなくなるなどの症状が引き起こされます。また、非常に微細な梗塞であれば、発症時は特に症状は生じず、微細な梗塞が繰り返されることで認知症様の症状が現れることもあります。

一方、血管が破れる脳出血では、突然の頭痛や嘔吐などが生じ、病変部が広範囲にわたる場合には意識障害に陥ることも少なくありません。脳幹などの生命を維持する上で非常に重要な部位に障害が加わると呼吸停止から死に至ることもあります。
手術によって一命を取り留めたとしても、出血によって障害されて脳細胞は元に戻ることはなく、病変が生じた部位によって、麻痺や感覚障害、言語障害などの後遺症を遺します。

脳卒中の種類と特徴

脳卒中の種類で、代表的なものを以下にまとめました。

① 脳梗塞

脳梗塞とは、脳の血管が詰まったために脳の一部が死んでしまう病気です。発症すると半身がしびれたり、力が入らなくなったりする運動障害や、呂律が回らなくなるなどの言語障害、意識が混濁するなどの意識障害が出たりします。重篤な後遺症が残ったり、命を落としたりする危険性も高いです。

② くも膜下出血

脳の動脈に発生した動脈瘤が破れ、脳と脳を包んでいるくも膜との間で出血した状態のことです。突然バットで殴られたような激しい頭痛を起こし、意識が混濁します。なお、脳の外で起こる出血なので、手足のしびれなどはみられないのが一般的です。

③ 脳内出血

高血圧などによって、脳内の穿通動脈が脆くなり、脳の中で出血を起こした状態のことです。出血した部位によって症状は異なりますが、手足のしびれや言語障害、強いめまいや吐き気、意識の混濁などが一般的な症状です。

脳卒中は後遺症が残りやすいって本当?

脳卒中は正しい対処が遅れると、脳のダメージが深刻化し、命の危機に直結する恐れもあります。また一命をとりとめても、脳のダメージを受けた部分が司っている機能に後遺症が出てしまうことも多いです。具体的な脳卒中の後遺症としては、言葉をうまく話せない、言葉をうまく理解できない、文字を書けなくなるといった言語障害、認知症のような認知機能障害、半身麻痺や姿勢保持の困難といった運動機能障害、感覚機能障害、嚥下障害などさまざまなものが挙げられます。

脳卒中は予防できるの?

脳卒中は生活習慣病と深くかかわっているため、予防には生活習慣の改善が欠かせません。具体的には、脳卒中の主要原因である動脈硬化を引き起こす高血圧を予防することが大切です。普段から塩分の摂取を控えめにし、野菜や海藻類を意識的に摂取しましょう。

また有酸素運動も効果的な予防法です。酸素を取り入れて血流を促進することには、血管のしなやかさを保つ作用があるとも言われています。ウォーキングであれば1日30分以上を週に少なくとも5日、早めのウォーキングや水泳であれば1日20分以上を週に3日程度行うと効果的とされています。

なお運動の際には汗をかくと思いますが、脱水も脳梗塞のリスクファクターのひとつといわれているため、こまめな水分摂取も重要です。

また喫煙は、血管に対してのダメージが非常に大きい行為です。血流の滞りを招く要因でもあるので、脳卒中予防を心がけるのであれば今すぐ禁煙しましょう。

治療が手遅れにならないように、脳卒中の前兆も知っておこう!

脳卒中は治療が遅れるほど、後遺症が残る確率や死亡する確率が高くなります。このため、脳卒中を発症する前の前兆に気づいて、思い当たる症状があるときには早めに病院を受診することが大切です。

脳卒中の前兆症状としては、手足のしびれや脱力感、突然物事を考えることができなくなって混乱する、まっすぐ歩けない、目が見えにくいことなどが挙げられます。これらの症状は発症まで続くこともありますが、多くは数分以内で治まります。このような症状は脳卒中の重大なサインの可能性がありますので、見逃さずに適切に対処するようにしましょう。

おわりに:脳卒中は麻痺などの深刻な症状が現れ、後遺症が残ることも多い脳卒中。予防と早期発見に努めよう

脳卒中は、命を落とす危険性が高く、深刻な後遺症が残ってしまう可能性も高いといわれています。予防のために、食生活の見直しや定期的な運動など、できるセルフケアを怠らないようにしましょう。
また、治療が手遅れにならないように、前兆を思われる症状があるときは、すぐに病院を受診させましょう。

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