記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/10/31 記事改定日: 2019/2/22
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
頻繁に尿意をもよおし、排尿の頻度が増えてしまう「頻尿」。一般的な症状ではありますが、その頻尿の中でも、「心因性頻尿」というものがあります。
ここでは心因性頻尿の原因について解説していきます。
心因性頻尿は、緊張や不安、ストレスなどの精神面の要因によって引き起こされる頻尿を指します。「トイレに行けないかもしれない」といった意識が頭の中で駆け巡り、日常生活に影響を及ぼすほどトイレの回数が増えるのが特徴です。
心因性の場合、膀胱などに何かしらの欠陥があるわけではなく、リラックスをしているときには頻尿の症状が出ないのも特徴です。
逆に学校にいる時、会社にいる時など特定の場所、車移動など特定の場面によって頻尿が引き起こされ、膀胱に尿がたまっているわけでもないのに何回もトイレに行くようになってしまいます。
対人関係によって引き起こされることもあれば、1人の場面で起こることもあります。
心因性頻尿を引き起こすのは
という過去のトラウマです。
などの経験をしたことで、もしトイレに行きたくなったらどうしようという不安が強くなり、結果として何度もトイレに行きたくなるような衝動に駆られてしまいます。
一方、対人関係のトラブルや家庭内でのいざこざなど、情緒不安定やストレスによっても起こり得ます。真面目な人に起こりやすいとされており、子供の場合には弟や妹が生まれたこと、引っ越しで環境が変わったこと、発表会での緊張などでも起こりやすくなります。
子供の心因性頻尿は、トイレトレーニングへの緊張感や、保育園・学校などでの集団生活での悩みなどが原因となっているケースが多々あります。
子供は自分の心の内を上手く話すことができず、ストレスを抱えてそれがかえって頻尿症状を悪化させているケースもあります。子どもの頻尿が気になる場合は、普段の様子をよく観察し、生活環境に問題がないか、集団生活には溶け込めているのかなどに気を配るようにしましょう。
また、近年は家庭内での夫婦喧嘩などが子供の発育に大きな影響を及ぼすことがわかっています。子供の前で大人同士の言い争いなどは極力控えるようにしましょう。
心因性頻尿の治療では、カウンセリングを通じてストレスの原因を突き止める必要があります。
もし前に失禁などトラウマになるような経験をしたのであれば「なぜそうなったのか」を調べていきます。
失禁を誘発する要因を自覚して対処できるようになれば、心因性頻尿を克服できるようになります。
また、自律神経の乱れによって心因性頻尿が引き起こされている場合は、自律神経を整える薬を、精神疾患を併発している場合にはその治療薬を飲むことによって安心感が得られ、心因性頻尿がおさまることがあります。
特に膀胱などに問題はないのに、特定の場面で頻繁に尿意をもよおしてしまうのであれば、「心因性頻尿」かもしれません。
心因性頻尿はその名のとおり、基本的には心の問題が原因となって引き起こされる症状なので、カウンセリングによって大幅に改善するケースも多くみられます。もしお悩みであれば、恥ずかしがらず一度専門の医療機関を受診してみてください。