記事監修医師
前田 裕斗 先生
2017/11/7
記事監修医師
前田 裕斗 先生
定期的に性行為はしているけれどなかなか妊娠できない場合は、卵管にて精子と卵子が出会えていない可能性があります。確実に受精させるためには、排卵検査薬で排卵日を予測することが大切です。この記事では、なぜ排卵検査薬で排卵日が予測できるのかについてご紹介します。
排卵検査薬とは、卵子が排卵される時期を予測することができる検査薬です。
一般的に、卵子の生存期間は約24時間とされており、その生存期間中に精子と出会えなければ、妊娠することができません。精子の生存期間は3~5日と、卵子より長く女性の体内でも生存し続けることができるので、排卵前に性交をすれば卵子と出会う確率が高くなります。その為、排卵検査薬を使用すれば、性交のタイミングをはかることができ、妊娠へとつながりやすくなります。
検査薬の使用方法は、尿を一定量または一定時間検査薬にかけ、反応を待つだけです。使用のタイミングは、排卵後の体温が上がる前が理想的なので、基礎体温表で体温が上がる時期を予測しておくといいでしょう。
女性ホルモンの一種である黄体形成ホルモン(LH)は、排卵前に急激に分泌されることが分かっています。黄体形成ホルモンの大量分泌はLHサージと呼ばれており、そのLHサージが起こった後40時間以内に排卵が起こると言われています。
排卵検査薬では、尿内からこのLH濃度の変化を検出できる薬剤を使用しているため、排卵前のホルモン変化をいち早く確認することが可能です。その為、排卵検査薬を使うと、排卵の引き金となるLHサージ(40時間内)を視覚的に予測することができるようになり、性交のタイミングがはかりやすくなります。
排卵検査薬は排卵前に使用する必要があるので、月経周期を把握しておくことが前提になります。また、使用する時間帯は毎日同じにしましょう。時間帯がバラつくと、正確に反応を見ることが難しくなります。
なお、月経周期には個人差があるため、規則的な場合と不規則な場合とで使用時期のタイミングには注意が必要です。
自分の月経周期から換算し、次回の月経開始予定日の17日前から排卵検査薬を使用するのが理想的です。
直近の2~3周期の中で最も周期が短かった周期を目安に、排卵検査薬を使用しましょう。周期を正確に確認するために、基礎体温を付けておくことをおすすめします。また、月経周期があまりにも不規則な場合は、病気の可能性も考えられるので、早めに医師に相談してください。
排卵検査薬の結果が陽性になった場合、陽性反応後の40時間内に排卵が起こるので、排卵日は陽性反応後1~3日以内だと思っておきましょう。性交後、精子は約1時間程度で卵子が下りてくる卵管膨大部という場所にたどり着きます。事前に精子を送り込んでおければ、卵子と出会う可能性が高まるため、排卵検査薬の反応があった日から1日おきに性交をすると妊娠しやすいでしょう。
妊娠検査薬は、使用するタイミングを見誤ってしまうことがあるので、基礎体温表と一緒に使用するようにしましょう。月経が不規則な人は、生活習慣の見直しや医師の指示を受けるなど、周期を落ち着かせてから使用することをおすすめします。もし検査薬を使用して、6周期以上妊娠しない場合は、排卵に関する問題だけではない可能性があるので、早めに病院を受診してください。