寝ちがえの原因とは!? 治療法ってあるの?

2017/11/13

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

寝ちがえとは、就寝中の不自然な姿勢が原因で起こる首の痛みのことですが、朝起きた後の首の痛みの全てが寝ちがえとはかぎりません。この記事では寝ちがえの原因と治療方法についてまとめているので、繰り返す首の痛みに悩んでいる人は参考にしてください。

寝ちがえとは

体に負担がかかるような体勢で寝ていたり、首を無理な方向に向けたりすることで、首を曲げるときなどに痛みを感じることを一般的に「寝ちがえ」といいます。これは朝起きたときに首から肩にかけて違和感があり、無理に曲げようとすると痛みが走り、うまく曲げられないような状態です。痛みの多くは頸部(首)の関節の捻挫や、頸部から肩にかけての筋肉の炎症が原因で生じています。

しかし、医学的には「寝ちがえ」という用語は存在せず、「頸部周囲の靭帯や筋肉の急性炎症による痛み」「急性疼痛性頸部拘縮(きゅうせいとうつうせいけいぶこうしゅく)」などと表現されます。基本的にはそのまま放っておいても数日ほどで治ってしまいますが、痛みが非常に強く生活に支障が出たり、何日も続くこともあり、その場合は深刻なトラブルが隠れている可能性もあるので注意が必要です。

主な原因は不自然な姿勢

寝ちがえの主な原因は、睡眠時の無理な姿勢です。通常は、眠っている間に体が負担を感じれば寝返りをしたり目が覚めたりするものですが、強い疲労や泥酔といった何らかの理由で眠りが深くなり過ぎて無理な姿勢が続いてしまうと、首の筋肉に強い負荷がかかってしまいます。

その他には、以下のような原因が考えられます。

  • 精神的なストレス
  • 寝ている間の体の冷え
  • 慢性的な肩こり
  • 慢性的な疲労
  • 頭と枕の高さが合っていない(特に横を向いて寝た場合)
  • 頸椎の老化
  • 首や肩を動かしたときに生じる頸部の捻挫
  • (寝ている間でなくても)長時間不自然な姿勢でいること

頸部は4~5kgもある頭部を支えており、もともと捻挫を起こしやすい部位であるため、こうした要因によって負担を強いられると、靭帯や筋肉の炎症を起こしてしまいます。

注意するべき症状はあるか?

寝ちがえたときには、特に首を曲げようとしたときに痛みが走ります。痛みで特定の方向を向くことができなかったり、頭痛や背中の痛みを感じたりすることも珍しくありません。症状が痛みだけであれば寝ちがえの可能性は高いでしょう。

この痛みは、早ければその日のうちに、長引いても1週間ほどで消失するとされます。しかし、1週間以上続く場合や以下のような症状が現れている場合は、他の疾患が隠れているおそれがあります。

皮膚が赤く腫れている、リンパ節が腫れている
粉瘤や感染症などのおそれ
背中や首、手足のしびれ
変形性頚椎症や頚椎椎間板ヘルニアなどのおそれ

赤く腫れている場合は皮膚科、しびれがある場合は整形外科の受診をおすすめしますが、総合病院などに相談してもいいでしょう。

治療は対症療法が中心

寝違えへの治療では、以下のような対症療法が中心です。

  • アイシング
  • 消炎鎮痛剤の服用
  • 湿布薬を貼る
  • 電気刺激やレーザー治療などの物理療法

あまりにも痛みが強い場合に行われるのは、局所麻酔や神経ブロックなどです。痛みを感じている場所の筋肉に直接麻酔を注射したり(トリガーポイント注射)、交感神経をブロックしたりすることにより、痛みを取り除きます。

また、寝違えているときは、肩こりのときと同様にもみほぐしや指圧をしたくなったり、首を伸ばしたくなったりするものです。しかし、ひどい炎症に対して自己流のマッサージやストレッチを行うと、かえって悪化させることになりかねません。マッサージやストレッチをするまえに、必ず医師に相談してください。

おわりに:通常、寝ちがえは安静にしていれば治る。長期化する場合やしびれがあるときは必ず病院へ

寝ちがえは、首まわりの筋肉や関節の一時的な炎症であり、通常安静にしていれば自然に治っていきます。
1週間たっても痛みが全く改善しない場合やしびれなどを伴っている場合は、深刻な病気が原因になっている可能性があるので、必ず病院を受診するようにしましょう。

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