肺水腫とは? ~ 呼吸困難を引き起こす危険な病気 ~

2017/11/22

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

肺水腫とは、肺に水が溜まってしまうことで呼吸困難に陥る病気です。ひどいときには命を落としたり重度の後遺症がのこってしまうケースもあります。肺水腫の基礎知識を紹介していくので、いざというときに役立てましょう。

肺水腫とは?

人が生きていくためには酸素が必要です。そして生命活動で酸素を使われと、代謝物として作られた二酸化炭素を排出する必要があります。この2つを行っているのが呼吸であり、肺の中にある肺胞と呼ばれる袋で酸素と二酸化炭素をガス交換しています。

肺水腫は血液の液体成分が肺胞に溜まってしまい、ガス交換が出来ず呼吸困難になってしまう病気です。
肺水腫になるとガス交換がうまくいかなり、呼吸困難の症状が現れます。仰向けでの呼吸が難しくなるので夜眠れずに起き上がったりするようになったり、ひどくなると全身に酸素が行き渡らなくなり皮膚や唇が紫色になるチアノーゼが起こることもあります。

さらに低酸素状態が長く続くと意識を失、その後も脳に酸素が届かない状態が続くと低酸素脳症に陥り、命を落としたり重い後遺症に悩まされる危険もあります。

肺水腫の発症メカニズムについて

肺水腫の原因は主に2種類あります。
ひとつめは心原性肺水腫といって、心臓に心筋梗塞や弁膜症などの異常が起こることが原因です。心臓の異常は血液を送り出すポンプ機能に支障をきたし、血液が流れにくくなってしまうなどのトラブルが起こります。その結果、肺に血液が溜まってしまい、その血液から液体成分が肺胞に溜まってしまい肺水腫に至ります。

もうひとつは非心原性肺水腫といって、心臓以外の部分に原因があるものです。例えば誤嚥や煙の吸入、肺の損傷や輸血関連急性肺障害などが原因で肺が傷つき、体液が漏れやすくなり、肺に水が溜まってしまいます。

呼吸困難になるって本当?

上記でもお話したように、肺水腫の代表的な症状は呼吸困難です。
これは肺胞の周りにある毛細血管から血液の液体成分が漏れ出して、肺胞の中を満たしてしまい、空気が肺胞に入ることが出来なくなることで起こります。肺胞に空気が入らなければ、酸素と二酸化炭素のガス交換が出来なくなるので、結果的に呼吸困難に陥ってしまうのです。

肺水腫の治療法は?

体に酸素が行き届かない「酸欠」状態を改善するために、酸素の投与が行われます。酸素は人工呼吸器を使い、寝ているよりも上半身を起こした状態の方が息がしやすいので、酸素が行き届くまでは、少し上半身を起こした状態にして行われます。

それから肺に溜まった水分を取り除くことになりますが、心原性肺水腫であるときには、利尿剤や強心薬を用いて水分を排出していきます。

開胸手術をして、直接肺に溜まった水分を取り除くこともあります。これは水分が多すぎて薬では足りないと判断されたときに行われます。

おわりに:呼吸が苦しいなど、気になる症状があったら病院で診てもらおう!

原因がわからないけれども、呼吸が苦しい、血の混じった痰が出てくるということであれば肺水腫である可能性があります。
肺水腫で低酸素の状態が続くと脳に後遺症が出て、その後の生活に大きな障害が出る恐れもあるので、呼吸が苦しいと感じたら手遅れになる前に病院を受診しましょう。

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