膀胱腫瘍(膀胱がん)の原因とは?治療はどうやってするの?

2017/12/4 記事改定日: 2019/3/19
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

がんの一種であり、血尿が出ることが特徴の「膀胱腫瘍(膀胱がん)」。この膀胱腫瘍(膀胱がん)を発症する原因はなんなのでしょうか?また、どのように治療が行われるのでしょうか?検査方法とあわせてお伝えしていきます。

膀胱腫瘍(膀胱がん)の原因とは?

膀胱がんの主な原因と考えられているのはタバコです。ある統計によると、膀胱がんの男性患者の約半数、女性患者のおよそ3割が喫煙者ということがわかっています。

また職業上、特殊な化学物質を扱う人も発がんリスクが高いことがわかっています。特に危険だとされているのがナフチルアミン、ベンジジン、アミノビフェニルといった化学物質です。これらの職業に従事していた人は定期的に検査を受けた方がいいでしょう。

膀胱がんの検査

膀胱がんの検査には、膀胱鏡検査、尿細胞診検査、エコー検査などがあります。

膀胱鏡検査
尿道から内視鏡を挿入し、がんの大きさや形状などを調べる検査です。体に器具を入れるので、麻酔や鎮静剤を使うことがあります。モニターで直接がんを観察できるために、詳しく調べられるというメリットがあります。
尿細胞診検査
尿にがん細胞があるかどうか顕微鏡でチェックする検査です。尿を採るだけなので患者の負担が少なくて済みます。
エコー検査
体に超音波を当て、膀胱の様子を見る検査です。痛みもなく簡単に行える検査ですが、小さいがんは見つけにくいことがあります。
CT検査
膀胱がんの状態や他の臓器への広がり、転移の有無などが確認できます。

膀胱がんの治療の種類

膀胱がんの治療法としては以下のものがあります。

経尿道的膀胱腫瘍切除術

膀胱がんの最終診断に用いられる方法です。膀胱がんの組織を内視鏡で切り取り、顕微鏡で詳しく検査します。膀胱の筋層に達していないがんは筋層非浸潤性がん、筋層にまで達したがんは浸潤性膀胱がんと呼ばれ悪性度が高いものになります。早期のがんならこの術式でがんを根治することも可能です。

膀胱全摘術

膀胱やその周辺の組織も全部切除する方法です。骨盤内のリンパ節や前立腺、子宮や尿道も切除することがあります。尿の通り道である尿路を変更する必要もあり、おおがかりな手術になります。

膀胱部分切除術

膀胱の一部を切除する手術です。尿道を手術する必要がないので尿路変更は不要です。

化学療法

膀胱全摘術を受けても再発の可能性が高いと考えられる場合、手術の前後に抗がん剤を投与することで治療効果が上がることがあります。治療には副作用が伴うことが多いのですが、治療が終わると元の状態に戻ります。

放射線治療

高齢や体力的な問題で膀胱全摘術が不可能な場合、あるいは患者側の希望で手術を望まない場合には、放射線治療をすることもあります。ただし放射線治療は再発の可能性もあるので、納得した上で治療を受けることが大切です。

膀胱がんが転移したり、再発したときはどう治療していく?

膀胱がんは転移したり、治療後に再発することも少なくありません。
転移は肝臓や肺、骨、脳などに生じやすく、転移がある場合には全身抗がん剤治療が行われます。

再発の場合は再度切除手術や膀胱内への抗がん剤やBCGなどの注入療法が行われます。また、膀胱を全摘した後の再発には抗がん剤や放射線治療が行われることもあります。

しかし、転移や再発にはこれらの治療で効果が現れないことも多く、その場合はがんによる痛みなどのそれぞれの症状に合わせた緩和ケアが行われます。

膀胱がんを予防できる?

膀胱がんの主な原因は喫煙と考えられています。このため、膀胱がんを予防するには禁煙したり、受動喫煙を避けることが大切です。
また、他にも排気ガスへの長期間の暴露、慢性的な尿路感染症、メタボリックシンドロームも膀胱がんを引き起こすとの報告があります。

膀胱がんを予防するには、禁煙の他にも食生活や運動習慣に注意し、尿管結石など尿路感染症を引き起こしやすい病気がある場合には適切な治療を続けることが大切です。

おわりに:日常生活を見直し予防に努め、定期的な検査も忘れずに

膀胱がんは血尿が出る事で気がつくことが多いがんです。もし、尿に異常を感じたら速やかに病院を受診しましょう。
普段から禁煙を心掛け予防に努め、発症後の治療は担当医と相談しながら納得のいくかたちで進めるようにしてください。

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