半月板損傷の症状にはどんなものがあるか?

2017/12/1

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

半月板は膝にある軟骨です。ジャンプしたときなどの衝撃をやわらげるクッションの役割を担っていますが、ここに過度の負荷がかかると半月板損傷を引き起こしてしまう可能性があります。この記事では、半月板損傷の症状についてまとめています。

半月板損傷とは

 

大腿骨(太ももの骨)と脛骨(すねの骨)の間に、半月板と呼ばれるアルファベットの「C」の形をした軟骨があります。半月板は、膝の内部の内側と外側に1枚ずつあり、膝関節が動くときに膝を安定させたり、跳ねたり飛んだりしたときに膝にかかる衝撃を和らげたりする役目をしています。この半月板がスポーツをして膝をひねったときなどに断裂することを半月板損傷と呼んでいます。

傷める原因

半月板を損傷する原因として、最も多いとされているのが運動中の怪我です。特にジャンプしたときに、膝に大きな力が加わると、半月板を損傷しやすくなります。また、年を重ねると半月板が徐々にすり減り強度が弱くなってしまうことも損傷しやすくなる原因になります。
その他、生まれつき半月板が厚くて大きい人は関節の中で引っかかりやすく、なにげない日常の動作でも半月板を損傷しやすいといわれています。

半月板損傷の症状

半月板を損傷してからどのように症状が変化していくかを、下記で説明していきます。

損傷したときの症状

半月板を損傷した直後は、膝の痛みが起こったり、膝を曲げたり伸ばしたりしたときになにかに引っかかっている様な感覚が生じます。損傷が激しく、断裂した半月板のかけらが関節の中で引っかかると、強い痛みのため歩けなくなったり膝を自由に曲げ伸ばしできなくなるロッキングが起こることがあります。

慢性化した時の症状

慢性化すると関節が炎症を起こし、膝に水や血がたまることがあります。さらに慢性化が進行すると、半月板が毛羽立ちめくれ上がった部分が、大腿骨や脛骨の軟骨を傷つけてしまい、変形性膝関節症を引き起こすようになります。

合併症について

半月板を損傷した時は、同時に前十字靭帯や内側側副靱帯も傷めてしまうケースが頻繁にみられます。前十字靭帯は、膝の中心にある靭帯で、大腿骨と脛骨をつないでいる強力な組織です。損傷したときは激しい痛みや腫れが伴いますが、徐々に痛みや腫れが引いてきます。一見回復したかのように見えますが、膝の不安定さは完全に回復することはありません。

治療方法

半月板はレントゲンには映らないので、半月板損傷の診断にはMRI検査や関節鏡検査が必要です。

半月板の損傷が軽い状態であれば、保存的治療で症状が良くなることが期待できます。痛みが強い急性期は膝の安静を保ち、飲み薬や湿布薬、関節内のヒアルロン酸注射などを行います。それでも痛みが引かないときや、慢性化して繰り返し膝に水が溜まるときは手術に踏み切ることもあります。手術は、一般的には内視鏡を使った関節鏡視下で実施されます。膝に1㎝ほどの穴を2~3か所ほど開けて、そこから損傷した半月板の切除を行いますが、血流が豊富な外側部分の損傷については切除せず縫合することもあります。

おわりに:放置するとさらに症状が進行する可能性も。痛みがあるときは早めに整形外科へ

半月板損傷は、手術をせずに保存的治療で症状が軽快することも多いですが、慢性化すると回復に時間がかかってしまい変形性膝関節症の原因になることもあります。スポーツ時の膝の違和感や痛みは、もしかしたら知らずに半月板を痛めてしまったことが原因かもしれません。早めに整形外科を受診するようにしましょう。

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