女性化乳房とは ~ 男性なのに乳房が大きくなる病気 ~

2017/12/12

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

男性なのに乳房が大きくなっている場合、それは「女性化乳房」の症状かもしれません。今回は女性化乳房の特徴や原因、治療法など全般的な情報をお伝えしていきます。

女性化乳房の特徴

女性化乳房は、男性でありながら女性のようにバストが大きくなってしまう病気です。

その理由として乳腺が発達することや胸に皮下脂肪が付くことが挙げられます。まず、乳腺組織は本来授乳を行うためのものであり、男性にも乳腺組織がありますが、通常は乳腺組織が発達することはないため、胸が大きくなることはありません。しかし女性化乳房の場合、思春期に女性ホルモンの分泌が増加することで発達し、胸が膨らんでいきます。人によって大きくなる度合いは様々で、しこりができるだけの人もいればかなり大きく発達する人もいます。

女性化乳房は500人に1人ほどが発症するもので、決して珍しい病気ではありません。発生時期は新生児期、思春期、高齢期が多いですが、中でも中学生くらいの頃にできることが多いです。

女性化乳房では、両方の胸が同時に大きくなる場合が殆どですが、片方だけにしこりができる場合では乳がんによる腫瘍の可能性もあり、すぐに専門医の診察を受けるのが良いでしょう。

女性化乳房の原因

女性化乳房には真性女性化乳房と偽性女性化乳房の2種類があり、それぞれで原因は異なります。

まず真性女性化乳房とは、バストの膨らみと共に乳腺が発達している症状を指します。原因は女性ホルモンの増大です。ホルモンバランスが生活の中で崩れることは珍しくなく、それが乳腺を発達させます。また、前立腺がんの治療に用いられる抗アンドロゲン薬やエストロゲンなど内分泌に影響を与える薬品の使用や、加齢による精巣機能の減退で女性ホルモンの割合が増え、女性化乳房の症状が現れることがあります。男性にも女性の数%ほどの女性ホルモンが存在し、男性ホルモンの分泌に何らかの異常が出ていることですぐに変化が起きるのです。

一方、偽性女性化乳房は乳腺の発達が無いのにバストが膨らむ症状です。原因は脂肪が胸周りに付くことで、もともと肥満体型である人によく見られます。

女性化乳房の治療法

女性化乳房の治療法は、真性・偽性かで異なります。

まず真性の場合は、ホルモン補充療法が行われます。男性ホルモンが適切に分泌されていないことは女性化乳房だけでなく、男性不妊や活力の減退にも繋がりますので、早い段階での適切な治療が求められます。なお、多くはホルモン補充療法によって改善しますが、症状が進行している場合は既に生活に影響があったり、治療をしても完全に戻り切らないことがあります。その場合は乳房組織を切除することになります。

一方、偽性の場合の治療内容はダイエットもしくは脂肪吸引となります。脂肪は女性ホルモンを分泌させることがあり、放置していると真性に移行していく可能性も考えられますから、偽性であることが判明しても放置はしない方がよいです。ただ、脂肪吸引は特定の箇所のみ脂肪を取り去ることから、不自然な体型になることがあります。

おわりに:女性化乳房は種類によって治療法が異なる!

女性化乳房には真性女性化乳房と偽性女性化乳房があり、それぞれで発症原因や治療法は異なります。見た目ではどちらか区別がつきにくいので、胸の膨らみが気になる場合は、専門の医療機関にて診断を受けるところから始めていきましょう。

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