食後高血糖はなぜ起こる?効果的な対策は?

2018/2/7

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

食後高血糖とは、食事をした後に血糖値が基準値を超えてしまい、なかなか血糖値が下がらない状態を指します。これは空腹時血糖値が正常範囲内でも起こる可能性あるため、発見が遅れる傾向があります。この記事では糖尿病予備軍と呼ばれる食後高血糖について解説していきます。

食後高血糖とは

食後高血糖とは、食事の後の血糖値が急上昇し、正常値を超えてしまうことを指します。正常な人でも食後は血糖値が上がりますが、食後高血糖の症状は、血糖値が140mg/dlという基準値の上限を超える水準に達し、しかも時間が経ってもなかなか下がらない点が特徴です。

また、食後高血糖は糖尿病の初期症状として現われることもあります。しかし、食後高血糖は明らかな自覚症状があるわけではなく、数値でしか確認ができません。そのため、知らず知らずのうちに進行してしまい糖尿病に進行してしまうことも多いといわれています。そのような進行を避けるために、空腹時の血糖値が正常でも食後高血糖が基準値を超えている場合は、糖尿病予備軍として治療対象とみなされることがあります。

食後高血糖になる原因とは?

ごはんやパンなどに含まれる、炭水化物や糖分は、ブドウ糖に分解されて、血液を通じて全身にいきわたり、細胞のエネルギー源になります。生命活動のエネルギーであるぶどう糖が血液の中に含まれていなければ生命を維持できませんが、過剰に増えすぎてしまうことで起こる問題もあるのです。

ブドウ糖をエネルギーに変えて血糖値を下げる機能がある体内ホルモンのひとつに「インスリン」があります。インスリンは膵臓から分泌され、インスリンがブドウ糖を代謝することで食後の血糖値は下がっていき、やがて正常に戻ります。しかし、インスリンの分泌が足りない、あるいはほとんど出ない状態になると、体内の血糖値がなかなか下がらなくなってしまいます。この状態が続くと糖尿病へ至ってしまい、合併症を伴うようになると命を落とす危険もあります。

食後高血糖は見つかりにくい一面も

食後高血糖は「隠れ糖尿病」とも呼ばれていて、放置してしまうと糖尿病のリスクが高まります。自覚症状がないため、早期に気づくためには健康診断などで定期的に血糖値を測り、常に自分の血糖値を把握しておくことが大切です。

健康診断で「HbA1c」という検査項目があります。4.3~5.8%が正常な基準値だとされていますが、健康診断で測られるのは大半が空腹時血糖値です。食後高血糖かどうかを知るには、ブドウ糖を食べて擬似的に体内を食後の状態に近づける「ブドウ糖負荷試験」をする必要があります。

食後高血糖を予防するには?

食後高血糖の症状を予防、改善するには、まず、食事の摂り方に注意しましょう。次のようなことに気をつけると、食後血糖値が上がりにくくなるといわれています。

  • ご飯やパンなど、炭水化物を多く含む食材の量を減らす。
  • 野菜(サラダなどの生野菜)を先に食べる。
  • ゆっくり噛んで食べる(飲み込んだ後も、しばらく間を置く)。

また、食後に散歩やウォーキングなど、軽めの運動をするよう心がけると、血糖が消費されて、食後高血糖の症状が改善しやすくなります。

おわりに:食後高血糖の段階であれば、血糖値を正常に戻せる!

いったん糖尿病にかかってしまうと完治させることはできません。治療で症状はある程度抑えられますが、一生治療を続けていく必要がでてきます。また、糖尿病は動脈硬化や網膜症、糖尿病腎症などの恐ろしい合併症を引き起こす可能性がある病気です。
食後高血糖の段階であれば、生活習慣を見直すだけで、血糖値を正常に戻すことができるといわれています。食べ方や食事のメニューを見直して改善するようにしましょう。

関連記事

この記事に含まれるキーワード

糖尿病(271) インスリン(61) 生活習慣病(58) 糖尿病予備軍(8) 血糖コントロール(23) 空腹時血糖値(7) ブドウ糖負荷試験(4)