白血球のひとつが異常に減ってしまう、「無顆粒球症」とは?

2018/2/1

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

顆粒球とは白血球の成分のひとつであり、体内に侵入してきた病原微生物(病原体、病原菌)と戦って感染症などのリスクから体を守っているのです。そのため、無顆粒球症で顆粒球が減少してしまうと、本来であれば罹らないような病気を発症してしまうこともあります。この記事では、無顆粒球症について詳しく解説します。

無顆粒球症とは?

無顆粒球症は血液中の白血球の成分の一種である顆粒球がほとんどなくなってしまう病気です。
白血球は体内に侵入してきた細菌やウイルスと戦うことで体を守っています。このように病原菌などと戦う力をのことを「免疫力」と呼び、免疫力が正常に働いていることで、感染症などのさまざまな病気を防いでいるのです。

白血球は顆粒球とリンパ球、単球の3つに分類でき、それぞれに役割が異なっています。顆粒球(好中球)は、病気などの原因になる細菌やウイルスに直接、攻撃を仕掛ける性質を持っています。無顆粒球症を発症して顆粒球がなくなってしまうと免疫力が著しく低下するため通常は罹らないような病気になってしまうこともあり、命に危機が及ぶこともあるのです。

無顆粒球症の代表的な症状について

無顆粒球症の症状は、免疫力低下によって引き起こされる現象が全て当てはまるでしょう。風邪などの様々な感染症の主症状(喉の痛み、鼻水、発熱、頭痛、倦怠感など)が例としてあげられます。

通常であればたとえ発症したとしても、白血球(顆粒球)の免疫機能でそれらの症状はそれほど時間を要することなく解消されていきます。しかし無顆粒球症の場合は、症状が更に重くなっていくのです。これは免疫機能が正しく機能できなくなってしまったため、体の中の細菌やウイルスが増殖し続けるために起こります。また、免疫機能が働いてないわけですから、重篤な合併症へ移行するリスクも高くなってしまいます。たとえばインフルエンザであれば、免疫低下で肺炎を引き起こし、その後に敗血症や胸筋炎などを発症していきます。

無顆粒球症はどうやって治療するの?

無顆粒球症は、まず発症した感染症や口内炎などの関連疾患から治療していきます。また、症状の原因となっている細菌に対しては抗菌薬が、真菌に対しては抗真菌薬が使われます。また、チアマゾールなどの薬の服用が原因のものについては、チアマゾールの中止が必要です。免疫力が著しく下がっていて感染症リスクが高いと判断されたときは、無菌室での治療が推奨されることもあります。

顆粒球減少症の原因が自己免疫疾患の場合は副腎皮質ステロイドが使われ、再生不良性貧血のように赤血球や白血球、血小板が全て減っている場合は抗胸腺細胞グロブリンが使われます。また、結核や白血病、がんなどの病気が原因で発症した無顆粒球症の場合は、原因疾患の治療で回復する可能性があります。

おわりに:無顆粒球症は命に関わる合併症に発展することも。早めの治療が重要。

無顆粒球症で免疫力が著しく低下してしまうと、風邪だけでなく、インフルエンザや肺炎、敗血症などの深刻な感染症に罹りやすくなってしまい、ときには命の危機に直結する恐れもあります。ですから無顆粒球症は早期発見に努め、早期に適切な治療を受けることが何よりも重要です。
定期検査で血液の健康状態を常に把握するように心がけ、少しでも疑わしい症状があるときは、すぐに病院を受診しましょう。

厚生労働省 の情報をもとに編集して作成 】

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