鼻茸(はなたけ)が漢方薬で治ることがあるって本当?

2017/12/25

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

鼻茸(はなたけ)とは、副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎が原因で発症する鼻粘膜の腫瘤のことです。手術で切除することが一般的な治療になりますが、漢方薬での治療が試みられることもあります。この記事では、鼻茸の漢方薬治療について解説しています。

鼻茸(はなたけ)とは?

鼻茸とは、鼻の穴の奥にある副鼻腔の粘膜にできる膨らみ(腫瘤)のことをいいます。粘膜にキノコが生えるように見えることから「鼻ポリープ」とも呼ばれています。
鼻茸は、鼻や喉に関する他の病気の「合併症」として起きることが多いです。たとえば、慢性副鼻腔炎(蓄膿症)やぜんそく(気管支喘息)、アレルギー性鼻炎などと併発します。粘膜が炎症を起こし、そこに細菌などが繁殖して腫瘤ができ、進行してどんどん大きくなることで鼻茸になっていきます。

鼻茸を治療した方が良いのは何故?

小さい鼻茸であれば自覚症状はありませんが、膨らみが大きくなると鼻の穴の空気の通り道をふさいでしまうため、鼻呼吸がしにくくなります。呼吸のことが気になって集中力が欠けやすくなりますし、気分も落ち込みがちになる傾向があります。このような症状で日常生活に影響が出てしまうようであれば、病院で治療したほうがいいでしょう。

鼻茸ができ始めの初期であれば、薬物による治療法でも効果が期待できますが、呼吸困難になるほど大きくなっている場合は手術で取り除きます。ただし、手術をしても再発することが多いため経過観察が必要であり、再発がみられる場合は再手術になることもあります。

また、上記の治療以外にも漢方薬による治療の効果が注目されています。

どんな漢方薬が使われるの?

 

漢方薬による治療では、鼻茸を直接取り除くアプローチはしません。最初に述べましたように、鼻茸は他の病気の合併症として起きることが多いため、根本原因である病気のほうを治すことによって、鼻茸を小さくすることを目指します。
鼻茸ができた原因を元から絶つことによって、再発リスクの軽減を目的に治療が行われるということです。

鼻茸の原因となった病気が、慢性副鼻腔炎、蓄膿症である場合は、「辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)」「葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)」「荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)」といった漢方薬が使われる場合があります。

辛夷清肺湯は、鼻づまり、慢性鼻炎などにも効果が期待できます。一方で、じんましんや食欲不振、下痢などの副作用が起こる可能性があります。

葛根湯加川芎辛夷も、鼻づまり、慢性鼻炎、副鼻腔炎、蓄膿症をじっくりと治す効果があるといわれています。その一方で、かゆみ、発汗過多、嘔吐、排尿障害などの副作用がありますので注意が必要です。

荊芥連翹湯は、鼻の病気の他、にきびや扁桃腺炎の治療で使われる漢方薬です。発疹やかゆみ、食欲不振の他、まれに肝機能障害などの副作用が起こる可能性があります。

「西洋医学の薬は副作用があるけれども、漢方薬に副作用はないので安全だ」と考えている人もいるかもしれませんが、これは誤解です。漢方薬も薬である以上、副作用は付きものです。必ず医師の指導のもと服用するようにしてください。

おわりに:漢方薬にも副作用はある。服用するときは必ず医師に許可をもらおう

漢方薬は、鼻茸ができる原因となった鼻や喉の慢性疾患を、時間をかけてじっくりと治していくことを目的に使われることがあります。
ただし症状にもよりますが、手術をせずに漢方薬だけで鼻茸を小さくすることは非常に難しいです。外科的手術で除去した後、漢方の力で鼻茸の再発を抑え込むという方向性のほうが現実的かもしれません。鼻茸の治療方法については、担当の医師と相談のもと、漢方薬の服用もあわせて納得のいく治療方法を選択するようにしましょう。

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