記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/12/28
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
日本人の多くにみられる「猫背」。実は猫背は、原因ごとにいくつかの種類に分けられるのです。今回はその種類ごとに、出やすい症状や不調を具体的にご紹介していきます。
背中が曲がっているのが猫背だと考える人が多いですが、自分で簡単に猫背であるかどうかをチェックする方法があります。
まず、壁にかかとを付けた状態で真っ直ぐに立ってみましょう。理想的な姿勢であれば、かかと、おしり、肩甲骨、後頭部が無理なく壁に付きます。けれども、後頭部を壁に付けると顎が上がって上を向いてしまったり、後頭部が付けられない、腰やふくらはぎに痛みを感じてしまうというようなことがあれば、猫背の可能性が高いです(痛みではなく、筋肉が無理に張っているような感覚も含まれます)。数秒であれば付けられるけれども、姿勢を保つことができずに、前のめりになってしまった倒れ込んでしまうという場合も、猫背を疑った方がいいでしょう。
猫背には、「首からくる猫背」「背中からくる猫背」「腰からくる猫背」「お腹からくる猫背」の4種類があります。
まず、首が原因の場合は、横から見ると顎が出て頭が出ているように見えます。スマートフォン、タブレット、パソコンなどの長時間操作で起こりやすい症状で、最近特に増えています。
背中が原因である場合、背中が丸くなるだけでなく肩が内側に入るという特徴があります。日本人に多く見られ、デスクワークをしている人がなりやすいです。
腰からくる猫背は、腰から曲がっており、腰を伸ばすことができないのが特徴です。骨盤や股関節の硬さが原因で起こります。
お腹からくる猫背は、骨盤が前に傾き、おなかがぽっこりと出ている状態です。ハイヒールを履く人や、お腹が大きくなることでバランスを保たなければいけない妊婦さんによく見られます。
先述の猫背の種類によって、引き起こされる症状も変わります。
まず首が原因の場合、神経が圧迫されてしまうので腕や肩のしびれが出ることがあります。首や肩こりの症状も起こりやすく、呼吸器への影響や風邪をひきやすくなってしまいます。
次に背中が原因の場合、自律神経を圧迫するので胃や肝臓の機能低下、胃酸過多、胃のむかつきといった症状が出やすいです。
腰が原因の場合、腰への負担が強いので腰痛を招きます。ヘルニアになってしまったり、腸の不調から便秘になることもあります。
最後にお腹が原因の場合、腰を大きく反らした状態なので腰痛になりやすく、子宮や腎臓と言った臓器に影響が出ることもあります。腸への不調も招くので、便秘などにもなりやすいです。
猫背は放置していても自然に良くなることはありません。見た目が悪いことはもちろん、腰痛やヘルニア、肩こりなど全身に様々な不良の要因となってしまいます。猫背であることで、全身の健康状態が悪くなると言っても過言ではありません。猫背は放置せずに、気付いた段階で早く治療をすることが非常に大切になります。
猫背は姿勢の問題だけでなく、腰痛やヘルニアといった別の症状をも引き起こすものです。治療を受けることで猫背は改善できるので、セルフチェックで猫背で気づいた方は、意識的に姿勢を正すよう心がけましょう。