家族性高コレステロール血症改善のための食事と生活習慣

2017/12/31

山本 康博 先生

記事監修医師

東大医学部卒、独立行政法人国立病院機構東京医療センター

山本 康博 先生

家族性高コレステロール血症(FH)は、遺伝による先天的な異常で、LDLコレステロールが細胞に取り込まれにくくなっています。そのため、厳格なコレステロール管理が必要です。この記事では家族性高コレステロール血症改善のための生活習慣と食事について解説しています。

LDLコレステロールのコントロールが重要!

家族性高コレステロール血症(FH)は、遺伝が原因で悪玉コレステロールと言われるLDLコレステロール値が高くなる病気です。
通常、LDLはLDL受容体と結合して肝臓や細胞に取り込まれるので血液中のLDLコレステロール値は正常に保たれています。しかし、FHは、このLDL受容体や、それに関連したタンパクに遺伝的な異常をきたすことで、血液中のLDLコレステロールが細胞に取り込まれなくなってしまい、その結果血中LDLコレステロール値が増加してしまうのです。
改善するためには、コレステロールのコントロールをしてLDLコレステロールの目標値を保つ必要があります。

FHを改善するための生活習慣

食事療法や運動療法など、生活習慣の見直しが必要になります。食事は低カロリーで低コレステロールなメニューにしてください。FH患者の場合、動脈硬化のリスクが高いため日々の運動が推奨されます。1日30分以上、週180分以上を目安に、毎日軽い運動をしましょう。ウォーキングやスロージョギング、サイクリングなどが手軽に始められるのでおすすめです。
また、喫煙者は心血管疾患のリスクを低下させるためにも禁煙をするようにしてください。

食事を摂るときの注意点

低脂肪で低コレステロールを心がけ、カロリー制限をしながら標準体重を目指し、肥満防止に努めましょう。さらに、動物性脂肪の制限し、大豆や魚など植物性脂肪や多価不飽和脂肪酸を摂取するようにしてください。キャベツやしいたけ、海藻類など食物繊維を多くとるようにして、コレステロールが多く含まれるうなぎや卵、レバーなどの食材、焼きたらこやシュークリームなどの食品は避けることも大切です。

生活習慣の改善とともに薬の継続も重要

15歳以上でFHヘテロ接合体患者の場合は薬物治療が必要です。また、生活習慣の改善だけでは目標値までLDLコレステロール値を下げることが困難と判断された場合についても薬物治療が必要になることがあります。LDLコレステロール値の変化や副作用の有無などを観察しながら投薬の量と薬の種類が検討され、十分な効果変えられない場合にはいくつかの薬を併用することもあります。
これらの薬物療法とあわせて生活習慣の改善も試みられますが、一時的にLDLコレステロール値が下がったからといって投与を途中で中止してしまうとLDLコレステロール値は元に戻ってしまうことが多いです。自己判断による休薬や薬の中止は絶対にしないでください。

おわりに:生活習慣の改善も薬の治療も根気よく最後まで徹底しよう

生活習慣の改善や薬の効果で、一時的にLDLコレステロール値が下がったからといって治療を中止してしまうと、再びLDLコレステロール値が上昇してしまうおそれがあります。家族性高コレステロール血症の人はLDLコレステロール値が上がりやすいため、自己判断で治療を止めることは危険です。必ず医師の指示通り治療を続けるようにしましょう。

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