甲状腺がんを放置すると危険な理由とは?

2018/1/10

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

甲状腺がんとは、甲状腺にできる悪性腫瘍のことです。甲状腺がんは種類ごとで進行のスピードや悪性度が違います。この記事では、甲状腺がんの種類別の特徴を紹介しています。また、がんを放置することのリスクについても解説しています。

甲状腺がんはどんな病気?

甲状腺がんは、のどぼとけの下側にある甲状腺という代謝にかかわるホルモンを分泌する臓器に発生するがんです。
甲状腺の病気は女性に多く見られ、バセドウ病などでも腫瘍を生じることがあります。良性腫瘍が多いといわれていますが、中には悪性腫瘍もあり、甲状腺にできた悪性腫瘍は甲状腺がんと診断されます。

甲状腺の病気は初期症状がわかりにくいことが特徴で、甲状腺がんも首の腫れやしこりのほか、飲み込みにくさや違和感、声のかすれなどがあらわれますが、詳しく検査を受けるまでがんとは気が付かないケースが大半といわれています。

甲状腺がんには幾つかの種類があり、どの種類に罹患したかによって悪性の度合いや転移しやすさなどが違ってきます。治療法の進歩のおかげで甲状腺がんの死亡率は下がっていますが、ほかのがん同様、早期発見と早期治療が重要視されています。

甲状腺がんの分類について

甲状腺がんには大きく分けて分化がんと未分化がんに分けられ、分化がんに分類された中では乳頭がん、濾胞がん、髄様がんという3つに分けられています。

分化がん

甲状腺がんの中で最も多いのが乳頭がんで患者の約9割がこのタイプといわれています。進行が遅いことや手術による治療が可能であり予後も良好とされています。
濾胞がんは比較的高齢の人が発症し転移しやすいのが特徴ですが、転移した場合を除いて治療後の経過は良いと言われています。
髄様がんは乳頭がんや濾胞がんより症状が進行しやすいとされ、リンパ節や肺、肝臓などに転移しやすいタイプと考えられています。遺伝性に起こるということで家族も含めて検査が行われることもあります。

未分化がん

未分化がんは増殖が速く悪性度も高いといわれています。甲状腺がんでは約1~2パーセントに見られ、進行が早いことから甲状腺の周囲にある反回神経や気管、食道などに広がったり、肺や骨などにも転移を起こしやすくなります。特に高齢者に発症しやすく、悪性リンパ腫が甲状腺に発生してしまうケースもあります。

早期発見・治療が大切な理由

上記でも説明したように、甲状腺がん、特に乳頭がんの場合は悪性度が低いこともあって予後が良いとされています。
しかし、悪性度の高い未分化がんは3年生存率が10パーセント以下とされ、予後に不安があるがんといえるかもしれません。
また乳頭がんと濾胞がんは比較的穏やかに経過するがんといわれていますが、いずれも治療が遅れると生存率が下がってしまう可能性があるので早期に治療を開始することが重要いえるでしょう。

おわりに:首の異常や違和感、のどの違和感などを感じたら、早めに病院で検査を

がんに限らず、甲状腺疾患は初期症状がわかりにくく、自覚しにくい面があります。飲み込みにくさなどの違和感や首の腫れなどにも注意して、早めに検査を受けて早期に治療を開始できるようにしましょう。

厚生労働省 の情報をもとに編集して作成 】

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