記事監修医師
東京都内大学病院眼科勤務医
渡辺 先生
2018/1/22
記事監修医師
東京都内大学病院眼科勤務医
渡辺 先生
睡眠不足が続いたり目を酷使したりすると、目のまわりの筋肉が勝手にけいれんする症状が出てきます。この状態を眼瞼ミオキミアと言います。この記事では、眼瞼ミオキミアの原因や対処法について解説します。
眼瞼ミオキミアは、睡眠不足が続いたり、長時間のパソコン作業などで目を酷使したときに、まぶたなど目のまわりの筋肉が自分の意思とは関係なくピクピクと動いてしまう症状です。疲れている時は、特に片側の下まぶたがけいれんすることが多いです。肉体的な疲労だけでなく、精神的なストレスから発症したり、コーヒーや薬などが症状を強めるケースもあると言われます。
両目のまぶたがけいれんしたり、まぶたが勝手に閉じてしまうなどの症状が出る眼瞼ジストニア(眼瞼けいれん)とは異なり、眼瞼ミオキミアは特に治療しなくても治るのが特徴です。
治療する場合は、眼精疲労に効果がある成分が配合された目薬が使われることがあります。また、目を酷使する作業を行うときは適度に休憩を入れ、睡眠を十分とることで予防につながります。
眼瞼ミオキミアの代表的な症状は、片側の下まぶたなど、目の周辺の筋肉が小刻みにピクピク動く症状です(眼輪筋の単純性筋けいれんとも呼ばれています)。自分の意思とは関係なく動くので、鏡で見ると不思議な気分になりますが、けいれん状態が長く続くと集中力が妨げられる恐れがあります。放置してしばらくすると治まりますが、再びけいれんすることもありますし、けいれんが数日間続くこともあります。
眼瞼ミオキミアは、顔の筋肉を動かす神経(顔面神経)が強いストレスにさらされて過度に興奮してしまうことがあるため、まぶたを含めた顔の筋肉がけいれんを起こすと考えられます。中でもストレスが原因となるまぶたのけいれんは、若い女性に多く見られると言われています。
眼瞼ジストニアも目の周辺がけいれんする症状がありますが、こちらはまぶたが勝手に閉じてしまうこともあります。治療が必要なケースもありますので、頻繁にけいれんしたり、けいれんが長期間続くときは、医師に診てもらったほうが安心です。
眼瞼ミオキミアが発症するメカニズムはまだ明らかになっていませんが、目の酷使による疲労や睡眠不足、ストレスなどによって目の周りにある眼輪筋が疲れ、筋肉内部の代謝が乱れて勝手に収縮を繰り返すのではないかと考えられています。筋肉のむくみや凝りなどが抹消神経を圧迫し、神経伝達に乱れが生じることも原因ではないかと考えられています。
したがって、目を休めることや、睡眠を十分にとることが効果的な対処法と言えます。また応急処置として、眼精疲労に効果がある目薬をさしたり、ホットアイマスクで目の周りの筋肉を温めたり、眼球を強く押さないように気を付けながら目の周りをマッサージすることも有効とされています。ビタミンB1等を服用すると、筋肉の代謝がアップして改善を促すとも言われています。いずれにしても、十分な休息をとるだけでも目の健康を維持する上で大切です。
眼瞼ミオキミアは目を酷使したり、睡眠不足やストレスなどが原因で発症すると言われています。けいれんしたときは休息のサインと捉えて、目を十分に休めましょう。けいれんが長引くようでしたら、念のため医師の診察を受けてください。