陰茎が折れてしまう「陰茎折症」が起こるのはどんなとき?

2018/1/15 記事改定日: 2019/8/30
記事改定回数:2回

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

陰茎折症とは、ペニスがポキッっと音をたて折れてしまうことです。性行為(セックス)中に起こることが多いトラブルといわれています。デリケートな部位の損傷なので、受診をためらう人もいるかもしれませんが、治療が遅れると性行為に関する深刻な問題に発展する可能性があるのです。

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陰茎折症とは

陰茎折症(いんけいせっしょう)は、ペニスが折れてしまう症状です。勃起した陰茎に極度な力が加わることで、ポキッという音(海綿体白膜の断裂音)とともに激しい痛みが生じます。その後、陰茎の屈曲や内出血(広範囲にわたる赤や紫色の腫れ)が認められます。

日本における陰茎折症の発症率は、年間で30万人に1人というデータがあります。頻度の高い疾患ではありませんが、勃起が可能な男性であれば誰にでも起こりうる外傷のため、注意が必要ですです。20~30歳代の男性に起こることが多いといわれていますが、それ以上の世代の人にも発症する可能性はあります。

陰茎折症が起こるのはどんなとき?

陰茎折症が発症するのは、勃起時に外部から強い力(1500mmHg超の圧力)が加わって海綿体白膜が断裂したときです。たとえば、性行為の最中に女性の腟からペニスが抜けて女性の恥骨にぶつかり発症したケースや、朝立ちした状態で寝返りを打ったとたん発症したケース、勃起時に用を足そうとしてペニスを手で動かしたとたん発症したケースなどがあります。

陰茎折症は予防できるの?

陰茎折症はいつ、誰にでも起こる可能性があるため、予防が非常に重要です。うつ伏せで寝る習慣がある方は床にペニスが当たることで陰茎折症を発症してしまう可能性があるため、マットレスの素材等を柔らかくするとよいでしょう。

どうやって治療するの?

陰茎折症を発症した場合、断裂した海綿体白膜を手術で縫合する必要があります。放置すると断裂部分が瘢痕となり、勃起しても陰茎が変形・湾曲して正常な性行為が困難となったり、勃起時に痛み(有痛性勃起)が生じるために難治性のED(治療薬を使うことが難しい勃起障害)になる可能性があるため、早期治療が欠かせません。

また、重症(尿道断裂に至っている場合など)の場合は予後は悪く、陰茎形成術、尿道形成術などが必要となる可能性があります。尿道損傷が生じる割合は約6%とされ、これにより排尿困難や血尿が発症する可能性があるといわれています。

 

おわりに:陰茎折症は早期の治療と発症予防が大切です

  • 陰茎折症は、勃起した陰茎に強い力が加わることで発症する
  • 放置すると性行為に支障が生じかねないため、早期の治療が必須
  • ただし、治療しても完全に元に戻るわけではないため、日ごろからの予防が大切

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