記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/1/16
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
子供は大人に比べて免疫力が低いため、風邪を引くと悪化しやすいといわれています。そのため、子供の風邪は予防が重要です。この記事では子供の風邪の予防に役立つ食事面の情報を紹介していきます。
子供が風邪を引いてしまうと、大人よりも重症化しやすくなります。ですから、かかった風邪を治療するよりも、まずは予防することが大切です。
しかし、風邪は体外からやってくるウイルスによる感染症ですから、どんなに予防法に気をつけても確実に防ぐことは難しいといえるでしょう。それでも、生活習慣や食生活を見直し、睡眠をしっかりと取ることで、ウイルスに対抗する免疫力を高めることは十分に可能です。
特に食事は、風邪を引き起こすウイルスを撃退するための基礎的なエネルギー源ですから、重要な位置づけといえます。
免疫力をつけ、風邪を予防するためには、炭水化物を減らして糖質制限を行い、動物性たんぱく質は肉よりも魚中心にすることがおすすめです。
肉類を一切摂っていけないわけではありませんが、肉には血管を硬化させたり内臓脂肪を増加させたりする飽和脂肪酸が多く含まれるため、摂りすぎには注意しましょう。
また、風邪の予防には、ビタミン類やミネラル類といった「微量栄養素」の摂取が鍵を握ります。
特に風邪ウイルスの入口となる粘膜を強化する作用があるビタミンAや、風邪の炎症を食い止めるビタミンCが重要です。また、ミネラルは身体のバランスを整えて免疫力を高めてくれるといわれています。
そして、食物繊維はこれらの微量栄養素が体内へ吸収されるのを手助けしたり、老廃物の排出を促す役割を果たします。
身体にいい食材だと聞くと、その食材ばかりを集中的に食べ続ける方がいますが、それはそれで身体にはよくありません。
たとえば、ビタミンやミネラルといった微量栄養素の摂取を重視して、玄米や雑穀、野菜ばかりを食べ続け、肉や魚などのたんぱく質をほとんど摂らなければ、骨の生育などに悪影響を及ぼしかねず、体格の変形などの異常が生じる危険があります。
人間の身体は様々な相互作用の組み合わせで成り立っているので、免疫力の向上に関係のない食材を避ければいいわけではありません。「過ぎたるはなお、及ばざるがごとし」と心得て、バランスの良い食事を心がけるようにしましょう。
いったんかかってしまった風邪は、風邪薬を飲めば治療できるわけではありません。くしゃみや頭痛、のどの痛みなど、目先の症状をひとまず抑えるもので、基本的には自身の免疫力によって風邪の治癒を目指すことになります。いずれにしても免疫力が求められますから、日頃から免疫力を高い水準で維持するための「風邪にかかりにくい身体づくり」が大切です。その基本のひとつがバランスのいい食生活です。体によいとされる食品を意識しながら、何でもバランスよく食べるように心がけてください。