血友病の症状のひとつ:血友病性関節症とは?

2018/1/25

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

血友病は血液凝固因子が働かなくなることで、血液が固まらなくなり出血しやすく、血が止まりにくくなる病気です。血友病の合併症のなかでも特に多く見られるものが血友病性関節症があります。この記事では、血友病性関節症の症状や治療法について解説しています。

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血友病について

血友病は、血管から出血したときに傷口を固めるために働く「血液凝固因子」というたんぱく質が生まれつき不足している病気です。通常であれば「血小板」という成分が血管の傷口にくっついて固まります。その後、血液凝固因子が働いて血栓をつくり、傷口にふたをします。しかし、血友病患者は血液凝固因子がうまく働かず、出血してから血が止まるまでに時間がかかってしまうのです。

代表的な症状として、関節内や筋肉内での内出血がみられるようになります。その他、頭蓋骨や鼻、皮下、消化管、腎臓などの部位でも出血しやすいので、特に小さな子供は頭を打つなどして出血しないように、両親は注意してあげる必要があるでしょう。また、出血しやすい部位は年齢とともに変化するのも特徴です。

血友病の合併症:血友病性関節症について

血友病の出血部位で最も多いのは関節です。関節内での出血を繰り返せば、関節障害をきたす恐れがあります。これを「血友病性関節症」と呼びます。実際の症状には、関節の違和感や痛み、腫れ、熟感などがあります。
症状は、関節内にある滑膜に炎症が起こり、関節が破壊され変形して動かしづらくなるという流れで進行していきます。毎回の出血で関節滑膜にだんだんと傷が増えていき、傷が増えると関節内膜の滑りが悪くなり、関節の曲げ伸ばしが難しくなり、さらに痛みを感じるようになります。症状の進行とともに関節の可動域が狭くなり、最悪の場合、関節自体が動かなくなります。

血友病性関節症にはどんな対処法があるの?

血友病性関節症には、主に2つの対処法があります。
まず、リハビリテーションです。リハビリは、痛み止めや凝固因子製剤などを投与しながら行います。装着器具などのサポートを得ながらのリハビリで、症状が改善することもあるので、リハビリ自体は非常に有効な治療法といえるでしょう。しかし、リハビリで改善しなかった場合は、関節外科手術を検討する必要があります。

関節外科手術には、「滑膜切除術」「人工関節置換術」などがあります。滑膜切除術では、出血しやすくなった滑膜を取り除き出血回数を減らすことで、関節症への進行を遅らせます。一方の人工関節置換術では、痛みの緩和と患者さんの日常生活への負担軽減が主な目的の手術です。
症状の進行度合いに応じて、対処法は変わります。

おわりに:自宅での治療が難しい血友病性関節症

多くの成人血友病患者は、複数の関節障害を合併しているといわれています。血友病性関節症は、医療機関での対処が必要になるため、関節の異変に気付いた際は早めに医師へ相談してみてください。

厚生労働省 の情報をもとに編集して作成 】

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