年をとると脱水になりやすくなる原因は?どうやって対処すればいい?

2018/1/25 記事改定日: 2019/1/30
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山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

脱水は子供や高齢者に起こりやすく、発症するとひどいときには命に危険が及ぶこともあります。
この記事では、高齢者の脱水の特徴や対処法について解説しています。脱水は夏だけではありません。冬も含めて1年中起こる可能性があります。この記事を参考に高齢者の脱水を防ぎましょう。

高齢者が脱水症状になりやすくなる理由とは?

高齢者は若年者と比べて体内(細胞内)の水分量比率が少ないです。いわゆる「若い世代の人」が60%程度の体液量であるのに対して高齢者は50~55%程度しかありません。

さらに、年をとると熱放散能力が低下してしまうため深部体温が上昇しやすくなります。すると汗腺の衰えていない部分から集中的に大量の汗をかくようになるので、脱水に陥りやすくなるのです。

また、年をとると喉の渇きを感じる口渇中枢が衰えます。喉の渇きを感じにくくなるので水分が必要なタイミングで十分な水分摂取ができず、このことが原因で脱水になることもあります。

そのほかにも

  • 誤嚥や失禁を恐れて水分摂取を控えてしまう
  • 病気の治療で利尿剤を飲んでいる
  • 持病の影響で尿の量が多くなっている

なども、高齢者が脱水となりやすいといわれる原因です。

高齢者の 脱水症状を発見するには、何に注意すればいい?

下記のような症状がみられたら脱水状態になっているおそれがあります。

  • 舌や口の中の乾燥
  • 皮膚の乾燥や弾力性の低下
  • 血圧の低下、脈が早くなる
  • 易疲労感(つかれやすいこと)、意欲低下、脱力感
  • 食欲低下、立ちくらみ
  • 意識の鈍化、意識障害
  • めまい
  • 尿量減少
  • 発熱が続く

高齢者の脱水は放っておくと深刻な状態に陥るおそれがあるので危険です。

高齢者に脱水の症状が見られたら、どう対処すればいい?

高齢者に脱水の症状が見られた場合は、何よりも水分を摂らせることが大切です。
水分は、糖分が多量に含まれた清涼飲料水やミネラルウォーターではなく、脱水によって失われた電解質が補給できる「経口補水液」がおすすめです。

また、吐き気などの症状が原因で脱水症状に陥っている場合や水分を補給しても症状が改善しない場合は、点滴治療が必要になることもありますので、なるべく早めに病院を受診するようにしましょう。

高齢者の脱水は、どうやって予防する?

一般的な成人の場合は1日2.5リットルの水分補給が必要とされていますが、高齢者の場合は必要量を飲み物だけで補うことが難しくなります。
高齢者の脱水予防に関して最も大切なのは食事に汁物を必ずつける、水分量の多い食事を摂るなどして食事から水分を摂るように心がけるということです。

まず、汗をかいていないときや動いていないというときでも、意識して水分をこまめに摂るようにしましょう。理想は1時間に100ml程度とされているので、食事以外にもお茶の時間を作ったり、すぐに水分がとれるように手元に水分を置いておいたりするなど、水分がとりやすい環境を整えておくようにしてください。

飲み物は水やお茶だけに頼らず、経口補水液など電解質を含む水分を定期的に摂ることもポイントです。
また、入浴中や就寝中は想像以上に発汗し脱水が進んでしまうことがあるので、入浴前後や就寝前後にもコップ1杯分の水分を摂るようにしましょう。

おわりに:周囲の人は高齢者の脱水には注意を向け、危ないときはすぐ対処しよう

高齢者は、脱水が進みやすいうえに、脱水に気づくことが難しいことが特徴です。そのため日ごろから意識して水分補給をするようにして、脱水予防を心がけましょう。
また、家族に高齢者がいる場合は、家族全員で脱水予防に注意を向けてあげるようにしてください。

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