オーソモレキュラー療法でチック症を治療できる?!

2018/1/29

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

チック症は、特徴的な動作が現れる発達障害のひとつです。現在完治させる治療薬はないといわれています。この記事では、代替医療のひとつであるオーソモレキュラー療法のチック症への効果について解説していきます。納得のいく治療法を選択するためにも、この記事を参考に正しい知識を身につけましょう。

チック症はどんな病気?

チック症は発達障害の1つで、突発的で急速な、リズムなく繰り返されるパターン化した不随意運動です。まばたき、顔をしかめる、口をゆがめる、口を尖らせる、舌を突き出す、首を左右に振る、肩をびくっとさせる、すくめる、腕を振る・まわす、地団太する、跳び上といった「運動性チック」と、咳払い、鼻を鳴らす、舌を鳴らすなどの「音性チック」に分けられます。

平均発症年齢は6歳で男児に多い傾向があり(男女比は3対1)、子供の10~20%に何らかのチック症がみられるとされますが、多くは一過性と考えられています

一般的なチック症の治療法とは?

重症の場合には向精神薬による薬物療法が行われます。ハロペリドールやリスペリドンなどがよく用いられますが、飲めば必ず完治するというものではなく、症状の軽快が目的とされます。一方、軽症の場合は、行動療法、カウンセリング、遊戯療法(遊びを用いて子供のこころの病気を治療する精神療法)などが取り入れられます。
重要なのは、患者本人が症状にとらわれすぎないように周囲が配慮し、全身運動の発散に関心を向けさせ、一方では、何か興味を抱いて熱中できるもの(趣味的なもの)をもたせることとされます。

オーソモレキュラー療法とは?

オーソモレキュラー療法は、「栄養療法」「分子栄養学」とも称されます。適切な食事やサプリメント、点滴、糖質コントロール-を用いて、人間の身体を構成する約60兆個の細胞のはたらきを向上させ、様々な病気を治す療法です。

具体的には次の3つの観点から治療を行います。
「栄養療法」では、栄養素の過不足を血液検査データから読み取り、必要な栄養素をおもにサプリメントから補います。「血糖調節」では、血糖カーブが異常な形状を示し体調不良を訴える患者に対し、食事(糖質)のコントロールやサプリメント利用で改善を図ります。「高濃度ビタミンC」点滴療法は、がんなどの悪性疾患、精神疾患、皮膚疾患などを対象に行います。

オーソモレキュラー療法はチック症にどう働くの?

チック症は、神経伝達物質ドーパミンに関連する薬剤の投与によって軽減することから、脳に問題が起きていることが原因と考えられています。

子供の場合は、子供の脳がまだ発達段階であることから、脳に栄養素が不足している可能性があることが示唆されています。
またチック症には成長痛のような夜間の下肢の痛みが頻繁にみられることも多いことも、チック症が何らかの重大な栄養障害と関係していると考えられている理由といえるでしょう。このような症状から考えると、カルシウムやタンパク質(アミノ酸)の不足、鉄や亜鉛、ビタミンA・ビタミンB群などの複合的な栄養障害が起こっている可能性があるともいえます。

オーソモレキュラー療法では、すべてのチック症患者に血液検査を行い、その結果をもとに一人ひとりにとって必要な栄養素を選び、サプリメントや点滴を用いつつアプローチしていきます。

ただしオーソモレキュラー療法の効果は完全に立証されたわけではありません。担当医の相談のもと、あくまでも補完治療の一環として取り入れることをおすすめします。

おわりに:オーソモレキュラー療法は、担当医の許可のもとで補完的に取り入れよう

従来のチック症の治療法としては薬物療法が知られますが、完治に直結する薬剤は今のところないとされています。オーソモレキュラー療法は、1人1人の血液検査を基に、不足している栄養素を補う治療法であり、実際に導入している医療機関がもあります。あくまでも補完療法の一環として取り入れることを前提にして、担当医と相談しながら自分に適した治療法を選択しましょう。

厚生労働省 の情報をもとに編集して作成 】

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