記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/1/29 記事改定日: 2019/10/18
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
チック症は、特徴的な動作が現れる発達障害のひとつです。現在完治させる治療薬はないといわれています。
この記事では、代替医療のひとつであるオーソモレキュラー療法のチック症への効果について解説していきます。納得のいく治療法を選択するためにも、この記事を参考に正しい知識を身につけましょう。
チック症は発達障害の1つで、突発的で急速な、リズムなく繰り返されるパターン化した不随意運動です。
大きく以下の2種類に分けられます。
重症のチック症では、向精神薬による薬物療法が行われます。
ハロペリドールやリスペリドンなどがよく用いられますが、飲めば必ず完治するというものではなく、あくまで「症状を軽くすること」が治療の目的です。
軽症の場合は、行動療法、カウンセリング、遊戯療法(遊びを用いて子供のこころの病気を治療する精神療法)などが取り入れられます。
治療を進めていくうえでは、以下のことが重要とされています。
オーソモレキュラー療法は、「栄養療法」「分子栄養学」とも称されます。
血液検査をもとに適切な食事やサプリメント、点滴、糖質コントロール-を用いて、人間の身体を構成する約60兆個の細胞のはたらきを向上させ、様々な病気にアプローチしていく療法です。
という推測をもとに、カルシウムやタンパク質(アミノ酸)の不足、鉄や亜鉛、ビタミンA・ビタミンB群などの複合的な栄養障害が起こっていると仮定して血液検査を行い、その結果をもとに、サプリメントや点滴などを使ってチック症にアプローチしていきます。
ただし、オーソモレキュラー療法の効果は完全に立証されたわけではありません。担当医の相談のもと、あくまでも補完治療の一環として取り入れることをおすすめします。
オーソモレキュラー療法は厳しい食事制限が必要であり、特定の食材の過剰摂取をすることもあります。このため、栄養バランスの極端な偏りによって健康に害をもたらす可能性が指摘されていて、とくに成長期の子供では注意が必要です。
また、定期的な検査などで正しい健康管理を行わないまま治療を続ける施設もあり、施設によっては知らず知らずのうちに非常に危険な治療を続けているということも少なくありません。
オーソモレキュラー療法を行うには信頼できる施設を選び、健康上のリスクを十分に理解した上で治療を受けるかどうか決めるようにしましょう。
従来のチック症の治療法としては薬物療法が知られますが、完治に直結する薬剤は今のところないとされています。オーソモレキュラー療法は、1人1人の血液検査をもとに、不足している栄養素を補う治療法であり、実際に導入している医療機関がもあります。
あくまでも補完療法の一環として取り入れることを前提にして、担当医と相談しながら自分に適した治療法を選択しましょう。