メタボリックシンドロームを治療するには

2018/2/8

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

メタボリックシンドロームを招く原因は内臓脂肪だと言われています。内臓脂肪を減らし、メタボリックシンドロームを改善するには、どのようなことに取り組めばよいのでしょうか。この記事で解説していきます。

冷凍宅配食の「ナッシュ」
冷凍宅配食の「ナッシュ」

メタボリックシンドロームを改善するには

メタボリックシンドロームになってしまう主な原因は、内臓脂肪の蓄積です。内臓脂肪は運動不足や食べ過ぎで増加し、短期間で蓄積しやすいという特徴があります。しかし、内臓脂肪は減りやすいとも言われており、食事や運動に気をつければ自分の力で減らすことができます。今の体重の5%を3~6カ月ぐらいかけて落とすようにすると、体重と共に内臓脂肪も落ちていきます。
そのためには、食事に気をつけることと、運動することです。もちろん食事だけ、運動だけでも体重は落ちますが、食事と運動を合わせて行ったほうが、効果的に内臓脂肪を減らすことができます。

メタボリックシンドロームの治療法:①食事療法

メタボリックシンドロームの改善のための食事療法では、現体重の5%を3~6カ月で落とすことを目標にした食事内容にします。そのためには、1日の摂取カロリーを1200~1800kcal程度に減らす、ゆるやかなカロリー制限を行います。
カロリー制限を行うときに気をつけたいのは、ただカロリーだけを減らすのではなく、必要な栄養をしっかりと摂りながら減らすことです。朝食を抜くといった不規則な食生活はやめて、3食を規則正しく摂るようにしましょう。また、腹7分目で食事を切り上げることも大切です。そして、寝る前の3時間前までには食事を終えるようにしましょう。このほか、間食をし過ぎないことや、よく噛んでゆっくり食べることも大切です。

メタボリックシンドロームの治療法:②運動療法

メタボリックシンドロームを改善するための運動療法のポイントは、運動の強度です。感覚的に、ややきついと感じる程度(汗は出るが、会話はできる程度)の運動を行うのが効果的です。ウォーキングや軽いジョギング、サイクリングなどがお薦めです。頑張り過ぎて苦しくならないように気をつけましょう。
また、日常生活の中で体を動かす習慣をつけることも重要です。移動する時は車に乗るのではなく、歩いたり自転車を使ったりするようにしましょう。また職場や自宅では、エレベーターではなく階段を使うようにするなど、こまめに動くようにすることもメタボリックシンドローム改善につながります。また、基礎代謝を高めるために、スクワットなどの筋力トレーニングを行うのも効果的です。

ストレスを解消することも重要!

実は、ストレスはメタボリックシンドロームと大きく関わりがあります。精神的なストレスが強くかかると食欲中枢が刺激されるため、生理現象として食欲がアップします。ストレスがかかるとやけ食いしがちなのはこのためです。また、ストレスで睡眠不足になると、食欲を刺激するホルモンの分泌が促される一方で、食欲を抑制するホルモンの分泌が減ってしまうため、過食を招く可能性があります。睡眠不足になるほどの多忙な生活になると、ゆっくり食事をとることができず、不規則な食生活になりがちです。
こうした理由から、ストレス解消はとても大切なのです。原因となっているものを見つけ出し、ストレスを減らす工夫をしましょう。

おわりに:食事と運動で体重を減らせば、メタボリックシンドロームは改善できる

メタボリックシンドロームは内臓脂肪の増加が原因ですので、脂肪を減らせば症状を改善することができます。食生活の見直しと運動の習慣化で、健康的に体重を落としていきましょう。

厚生労働省 の情報をもとに編集して作成 】

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