胆石症の手術の安全性は? 合併症が起こることはあるの?

2018/3/5 記事改定日: 2018/6/5
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

胆のうなどに石ができ、痛みを引き起こす「胆石症」。胆石症の治療は手術療法が主流ですが、気になるのがその安全性です。今回の記事では、胆石症の手術の安全性や合併症のリスクを中心にお伝えしていきます。

胆石症の手術にはどんな方法がある?

胆石症は、胆のうや胆管に石ができて痛みなどが出る病気です。

胆石症の治療のひとつに手術療法がありますが、お腹を直接開いて行う開腹手術と、内視鏡や腹腔鏡を使って手術を行う腹腔鏡下胆のう摘出術があります。手術療法以外にも治療方法がありますが、手術で胆のうを摘出してしまうことが根治手術の第一選択肢となります。

どちらの手術法にするかは、個人の状態を見て決めますが、今までに胃や腸の手術を受けたことがある人や、高齢で心臓、腎臓、肺の機能が落ちている人などは、手術時間が短いほうがよいとの考え方から開腹手術が選択される場合があります。

一方、腹腔鏡下胆のう摘出術は腹部に2~3cmの穴をあけて、そこから内視鏡や腹腔鏡を入れてお腹の中を見ながら道具を使って胆のうを摘出する方法です。しかし、お腹の中を見た時に炎症や癒着がひどい場合には開腹手術に切り替えることがあります。

胆石の手術の流れは?

内視鏡・腹腔鏡手術

近年、胆石治療を目的とした胆のう摘出術は内視鏡や腹腔鏡を用いた術式が一般的になっています。
これは、お腹の4か所に1㎝ほどの穴を開け、そこから内視鏡や腹腔鏡を挿入して、お腹の中を慎重に観察しながら胆のうを切除するというものです。切除された胆のうは小さく圧縮され、お腹に開けた穴の一つから抜き出されます。
痛みは非常に少なく、入院期間は医療機関によって異なりますが3日以内がほとんどです。また、術後の傷跡も目立ちにくく、身体的にも精神的にも負担の少ない治療法であると言えるでしょう。
しかし、内視鏡や腹腔鏡による複雑な操作を必要とするため、熟練した技術を持つ医師が行う必要があり、大きな血管を傷つけて止血が困難な場合などには開腹手術に切り替えられることも少なくありません。

開腹手術

以前から広く行われてきた手術方法ですが、お腹の真ん中に10㎝程の切開を加え、お腹を開いて胆のうを摘出するものです。手術中の視野が広く明瞭に確保でき、出血などのトラブルに対応しやすいのがメリットになります。
現在では、体に負担が少ない内視鏡・腹腔鏡手術が第一選択とされますが、胆のう炎を繰り返して胆のうと周辺臓器の癒着が予想される場合や、胆のうがんが疑われるときには開腹手術が選択されます。

胆石の手術にリスクはある?合併症が起こることはあるの?

胆石症の手術はそこまでたくさんの出血を起こすものではありませんが、手術を行うことで傷ができるため、手術の後に再出血が起こることがあります。また傷口に胆汁が付着して、そこから感染を起こす可能性もあり、その他には手術の際に胆管を止めているクリップが外れたり、胆汁が漏れる胆汁瘻(たんじゅうろう)という症状が起こることがあります。
また、手術で腸や胆管に傷がついてしまうことも考えられます。

そしてお腹の手術ではよく起こるもので腸の癒着があり、腸がひっついてしまうことで通り道が詰まってしまう腸閉塞が起きることもあります。必要がある時にはカテーテルを入れたりして対応し、再手術を行います。

合併症はある?

胆のうを切除する手術を行った場合には、胆のうがない状態になりますが、胆のうがないことによる合併症はほとんど心配がないといわれています。

胆のうの働きは、肝臓で作られた胆汁を一時的に蓄えておくことで、食事で脂肪分を含むものが体内に入ってきた時に胆汁を分泌し食物の消化を助けます。つまり胆のうがなくても胆汁の分泌はされるため、今まで通りに食物の消化は行われます。

食事内容が非常に脂分の多い物だったりすると、脂肪の消化が追い付かないことがありますが、通常の食事内容だったら特別な問題は起こりません。胆石症の手術を行って体調が回復した後であれば、脂肪分を控えめにしてあれば今まで通りの食事をとることができます。

胆石症の手術後の経過と注意点とは?

胆石症の治療を受けた後には、手術の痛みは2~3時間で和らいできて、その後数日間は痛み止めの内服をしたり座薬を使用することになります。手術の傷を縫う糸は溶けてしまう糸を使うことが多く、その場合には抜糸も必要ありません。

半年もすると傷跡も柔らかくなってきます。手術の翌日からシャワーを浴びることができるようになり、仕事は数日間お休みする必要がありますが、痛みがなければ徐々に家事や仕事を再開できます。入浴も3日後くらいから可能になります。

体を使う運動のウォーキングやサイクリングは、手術後2~3週間を過ぎると行えるようになります。ただし、胆石症は再発することがあります。再発をしたときには内視鏡(腹腔鏡)手術などで胆石を取り除く必要があります。

おわりに:胆石症の手術は、合併症のリスクはあるものの術後の回復が早い

胆石症の手術を行った場合、癒着や術後の再出血などの合併症が起こる可能性はゼロではありません。しかし、比較的体への負担の少ない手術であり、治療技術の進歩により、術後の回復も早い点が大きなメリットと言えます。専門医と相談しつつ、自分に合った治療を進めていきましょう。

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