ポリオ発症後にあらわれるポストポリオ症候群とは?

2018/2/13

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

ポストポリオ症候群(PPS)は、ポリオウイルスに感染したことがある50~60代ぐらいの方にみられる症状です。かつて麻痺があった場所の筋力が低下したり、筋肉がやせてきたりする症状がみられます。この記事では、ポストポリオ症候群の症状とともに、治療法について解説します。

ポストポリオ症候群(PPS)とは?

ポリオはポリオウイルスに感染して発症する病気です。ウイルスが脊髄神経に入り込んで神経細胞が破壊された結果、その神経が動かしていた体の部位が動かなくなるという症状を引き起こします。発症直後は主に手足の麻痺があらわれますが、時間の経過と共に失われた機能が徐々に回復してくることがあります。これは、動かせなくなった部位に新しい神経が伸びてきたためです。
ただ、いったん回復した機能も、50~60代になるとかつて麻痺があった場所の筋力が低下したり、筋肉がやせてきたりする症状が出てきます。これがポストポリオ症候群です。後遺症が残っている側に出ることが多いですが、後遺症のない部位に症状が出ることもあります。

どんな症状が現われるの?

ポストポリオ症候群になると、今までとは違って力が入らないと感じたり、見た目にも筋肉が減っているのがわかることがあります。時には筋肉痛や関節痛を起こし、筋繊維がぴくぴくと動く過敏現象が起こることもあります。ポストポリオ症候群による症状として、このほかに後遺症が残っている手足が冷たくなったり、感覚が鈍くなったり、腰痛や全身のだるさを感じたりすることがあります。
ポストポリオ症候群は、症状があらわれてからしばらくの間は進行しますが、数カ月から1年で進行が止まることがほとんどです。その後はかなりの人が回復傾向がみられ、ポストポリオ症候群を発症する前の状態まで回復できると言われています。

ポストポリオ症候群は何が原因で発症するの?

ポストポリオ症候群になる原因として、ポリオを発症後に回復した神経が長年にわたって使われているうちに萎縮したり破壊され、神経と筋肉がつながって体を動かしていた機能が低下することが考えられます。また、ポストポリオ症候群は50~60代の人に多くみられますが、この時期はちょうど体の老化現象が起こる年代のため、自然に神経細胞が減少していくこともポストポリオ症候群の発症要因のひとつと言えます。
また、ポストポリオ症候群の症状として痛みが出ることもありますが、これは筋力が弱くなってしまった部位をカバーするために、他の部位に余分な負荷がかかったことで、痛みが生じていると考えられています。

「ポストポリオ症候群だな」と思ったら・・・

ポストポリオ症候群のような症状が出たら、医療機関を受診して相談してみると良いでしょう。神経内科や整形外科、内科にかかると、神経や筋肉を障害を専門にみる医師がいると思います。もしくは、病気による後遺症に対するリハビリを行っている理学療法科でも構いません。
ポストポリオ症候群の症状が出たら、急性期のうちは無理に動かないようにしましょう。筋力低下や痛みなどの症状がなくなってきたらリハビリを開始します。リハビリは、最初は疲労が翌日に残らない程度の負荷で行い、少しずつ量を増やしていきましょう。

おわりに:ポストポリオ症候群の症状が落ち着いたら、少しずつリハビリを

ポストポリオ症候群は、いったん回復した神経が萎縮したり破壊されたりすることで発症します。筋力低下や痛みがひどいときは無理に動かないようにし、症状が落ち着いてきたら、医師に相談しながらリハビリを始めましょう。

厚生労働省 の情報をもとに編集して作成 】

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