記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/2/19 記事改定日: 2019/1/30
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
毎年、多くの人が熱中症にかかっていますが、その中でも高齢者の割合が多いのはなぜでしょうか?
この記事では、高齢者が熱中症になりやすい原因について解説しています。また、高齢者の熱中症対策についてもご紹介しています。
熱中症は、夏場など高温多湿な所で身体の水分量や塩分量のバランスが崩れ、体温調節機能がうまく働かない状態です。
気温の高さや湿度の高さ、体調不良で暑さに順応できないなどの要因が重なることで発生率が上がっていきます。また、屋外だけでなく室内での発症例もあるため、注意が必要です。
高齢者は体力が低く、発汗による体温調節機能が低下している人が多いため、熱中症になりやすいといわれています。また、皮膚感覚が鈍っているため、暑さを感じにくいということも発症要因のひとつといえるでしょう。
そして、高齢者が熱中症にかかると重症化しやすいといわれています。
これは、高齢者の体内水分量が少なく、発汗や下痢によって脱水症状を起こしやすくなることが原因です。
高齢者は
などの習慣を持つ人も多く、こういった習慣が脱水症状を起こしやすい要因となることもあります。
その他、高齢者は糖尿病や心臓疾患、高血圧などの持病がある人が多いことも、熱中症の症状が重症化しやすい理由といえるでしょう。
熱中症予防は、水分補給と暑さを避けることが重要です。
喉が渇いたと感じる前からこまめに水分補給することが重要です。
補給し忘れないように水分をとるタイミングをスケジュール化していくことをおすすめします。
たとえば、毎食の前後に湯飲みで一杯ずつ、お風呂の前後と就寝時、起床時に一杯ずつというタイミングで摂るというスケジュールを立ててみてはいかがでしょうか。
1日を通して最低でも1.2リットルくらいは水分補給する必要があるといわれています。
湯飲み10杯ほどが約1.2リットルとなるので目安にしてください。
ただし、これはあくまで最低限の水分量です。外出時の気温や湿度、運動量に応じて、さらに摂取量を増加しなければいけない場合があるので注意しましょう。
高齢者は水分を体内に保持する力が低下しやすく、のどの渇きなどを感じにくくなるため、汗をかく夏場ではなくても思わぬ脱水症を発症することがあります。
高齢者は常に脱水症になる可能性があることを念頭に置き、こまめな水分補給を心がけるようにしましょう。また、一度に大量の水分を摂ると、心臓や腎臓に負担がかかりやすいため、少量づつ摂ることも大切です。
暑さを避けるためには、エアコンや扇風機を有効に使い、温度を28度から超えない設定にしましょう。温暖化や都市化によるヒートアイランドの影響で、夏の平均気温は上昇傾向にあるといわれています
以前は、窓を開けて風を通せば、気温の急上昇はありませんでしたが、今は風を通すだけでは気温を下げられません。エアコンを持っていない人は、公共施設などで冷房の完備されている箇所をうまく活用してください。そして、日中の暑い時間帯の外出を避けるようにしましょう。
高齢者は、体温調節能が低下しているため、冬であっても過度な暖房や毛布のかけすぎなどによって体温上昇や脱水を生じ、熱中症を引き起こすことがあります。
唇や舌が乾燥している、何となくぐったりして元気がない、手足の末端が冷たい、血色が悪い、尿の回数が減った、顔がほてっている、などの症状が見られるときは注意が必要です。
冬の熱中症対策としては、高齢者の様子をよく観察して異変に早く気づくこと以外に以下のようなものが挙げられます。
高齢者は水分が足りなくなりやすいので、熱中症になりやすい傾向があります。
水分補給や暑さを避ける対策をきちんと行ったうえで、エアコンなどを利用して室内を快適な環境に保つようにしましょう。
また、家族や周囲の人は、高齢者の様子を気にかけてあげるようにしてください。