口臭の原因になっている可能性がある、間違った口腔ケアとは?

2018/2/15

記事監修医師

日本赤十字社医療センター、歯科・口腔外科

川俣 綾 先生

会話をしているときに口臭が気になって、念入りに歯磨きや口内洗浄液などを使っている人がいるかもしれません。しかし、必要以上に歯磨きをしたり、刺激の強い口内洗浄液を使ってしまうことが、かえって口臭を悪化させていることがあります。それでは、どのようなことに気をつけて口腔ケアをすればよいのでしょうか。この記事で解説します。

口臭の種類と代表的な原因

口臭とは、口から出される悪臭のことです。口臭には大きく4種類があります。1つ目が生理的口臭です。朝起きた時やお腹が空いている時、緊張している時などは唾液の分泌量が変化します。その結果、口臭が発生します。2つ目が病的口臭です。口の中はもちろんですが、身体が病気のときも口臭が発生することがあります。口臭の元となる口腔内の病気としては歯周病や虫歯が、身体の病気としては胃腸や呼吸器の疾患、糖尿病などがあります。3つ目が外因的口臭です。ニンニク、ニラ、ネギなどの食品や、酒、タバコなどの嗜好品が原因で口臭が発生します。外因的口臭の場合、時間が経てば治まります。4つ目が内因的口臭です。実際には口臭がないのに、本人が口臭があると思い込んでしまうことがあります。ストレス等によって、精神的に不安定になっている場合にみられます。

歯磨きのし過ぎや口内洗浄液が口臭の原因に?!

口臭対策として、入念な歯磨きや口内洗浄液などでケアをする方もいると思います。しかし、こうしたケアが逆に口臭の原因になってしまうことがあります。刺激性の高い口内洗浄液を使うと、口の中の粘膜が荒れて乾燥してしまうために、口臭の原因となる菌が活性化したり、口内洗浄液が口の中に必要な菌を殺してしまったりすることがあります。また、口内洗浄液で口をすすいだときに唾液も一緒に吐き出してしまうため、口臭の原因菌が増えてしまうことがあります。
口臭の原因菌がもっとも少ないのは、食事中や食後です。食事によって唾液が分泌されるため、口臭が少なくなります。しかし、食事の後すぐに歯磨きをしてしまうと唾液を吐き出してしまうため、結果として口臭が悪化してしまう可能性があります。口臭対策として一生懸命歯磨きしても、歯磨きのタイミングを間違えてしまったり、必要以上に歯磨きしてしまうと口臭の原因となり、本末転倒です。正しい知識を身に付けて、適切な口臭対策を行いましょう。

口臭予防に大切なのは唾液の量

生理的口臭の原因となる主な菌は嫌気性菌と呼ばれています。嫌気性菌が活性化するとガスが発生するため、口臭が発生します。この菌は、口の中が乾燥した状態のときに活性化します。一方、口の中に必要な菌は好気性菌と呼ばれており、こちらは口の中が潤った状態のときに活性化します。唾液の分泌がしっかりとなされ、口の中が潤っていれば、好気性菌が活発になるのでガスは発生しにくくなります。つまり、唾液の量によって、口臭が強くなるか、弱くなるかが変わります。したがって、唾液の分泌量を増やすことが口臭予防には重要です。

おわりに:間違った口腔ケアは口臭の原因に

口臭対策のために必要以上に歯磨きをしたり、刺激の強い口内洗浄液を使ったりすると、かえって口臭を悪化させる可能性があります。間違った口腔ケアによって、口臭予防に重要な役割を担う唾液が奪われ、嫌気性菌が活発化して口臭の元となるガスを生み出すからです。口臭予防には、正しいケアをして口の中を唾液で潤しておくことが大切です。

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