記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/2/26
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
排便時に痛みや出血が起こる「痔」は、一度発症すると慢性化しやすい厄介な症状です。この痔を予防するには、どうすればいいのでしょうか?毎日の生活習慣で気をつけたいポイントをご紹介します。
痔とは、肛門とその周囲に痛みや傷、腫れ、膿などが生じる疾患全般のことを言います。
痔の主な種類は、肛門の皮膚が切れたり裂ける「裂肛(れっこう)」、肛門と直腸付近の血管がうっ血してイボになる「痔核」、肛門から膿が出る「痔ろう」の3つです。
症状は、痛み、かゆみ、出血、腫れ、不快感など、痔の種類によってさまざまで、痔を発症する人のおよそ9割が、上記3種類のいずれかの痔に当てはまるとされています。
そして発症原因の大部分が生活習慣によるものであるという点も、痔の大きな特徴です。
ここからは、痔の発症予防に効果的な食生活を、痔の発症・悪化につながる避けるべき食品とあわせてご紹介していきます。
まず痔の予防には、肛門とその周囲に過度な負担をかけない排便習慣をつくること、またスムーズな排便を助ける食生活を送ることが効果的です。
具体的には、便秘解消効果のある食物繊維と水分の摂取量を増やすと良いでしょう。食物繊維は、便量を増やす不溶性繊維が豊富な豆類やこんにゃくをはじめ、玄米やシリアルなどから摂取できます。
あわせて、水分は起床後すぐにコップ1杯、その後も意識してこまめに摂取すると腸の働きが良くなり、便が柔らかくなって排便で肛門にかかる負荷を減らす効果があります。
逆に、下痢の原因になる油分・アルコール・キシリトールや、肛門を刺激する唐辛子などは痔を発症するリスクを高めるので、痔を予防したい場合は控えるようにしてください。
最後に、痔による痛みが現れた場合にできる対処法を2つご紹介します。
いずれの種類の痔であっても、痛みが強い、または長時間続く場合は、できるだけ早く病院での診察・治療を受ける必要があります。
すぐに受診できない場合は、市販の座薬、注入軟膏などの薬を購入して応急処置をすると良いでしょう。ただし、市販薬は症状の緩和には効果的なものの、治療は難しい場合もあるので、必ず病院での治療を受けるようにしてください。
痔は、排便時や日常生活において痛みを伴う辛い症状です。しかし、主に生活習慣によって発症するものだからこそ、日常生活において対策を行うだけでも予防できます。正しい予防法を知って実践し、それでも発症した場合は痛みが強くなってしまう前に早めに病院を受診し、適切な治療を受けましょう。