乳幼児に多い耳のトラブル、耳垢栓塞とは?

2018/3/7

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

耳垢が耳の穴に詰まって外耳道をふさいでしまうと、耳管閉塞を発症することがあります。耳管閉塞は乳幼児に多いトラブルで、発症すると耳が詰まったり、音が聞こえにくくなったりします。この記事では、耳管閉塞を発症する原因とともに、予防法について解説します。

耳垢の種類について。詰まりやすい耳垢があるの?!

耳垢は、外耳道(がいじどう)に入り込んだゴミや毛髪のほか、外耳道内の「耳垢線(じこうせん)」と「皮脂腺(ひしせん)」からの分泌物と、剥がれ落ちた角質が混ざったものです。以下のように、耳垢には2種類あります。

乾燥してカサカサした「乾性耳垢(かんせいじこう)」タイプ

・粉のように乾いていて、カサカサしている
・日本人に多く、日本人のうち約7割がこのタイプとされる
・別名ミミカス、ミミクソ、コナミミなどとも呼ばれる

湿気がありベトベトした「湿性耳垢(しっせいじこう)」タイプ

・湿っていて、粘り気のある耳垢である
・欧米人に多く、欧米人のうち約9割がこのタイプとされる
・別名アメミミ、ヤニミミ、ネコミミなどと呼ばれる

湿性耳垢の人は、乾性耳垢の人に比べて「耳垢線」の数が多いことがわかっています。このため、耳垢のタイプは、耳垢線の数と分泌物の量の違いによって決まると考えられています。また、湿性耳垢は、乾性耳垢に比べて耳垢栓塞(じこうせんそく:耳垢が詰まって耳を塞いでしまう症状)を発症しやすいのが特徴です。

耳垢栓塞はどんな耳トラブル?

耳垢栓塞とは、耳垢が耳の穴に詰まって外耳道をふさいでしまった症状で、耳が詰まる、音が聞こえにくいといった不快な症状を伴う疾患です。原因として、耳かきしすぎて耳垢を奥に押し込んでしまったり、耳に水が入ったときに耳垢が水を吸って膨らんだりした結果、耳を詰まらせてしまうケースが考えられます。
耳垢栓塞を起こしている耳垢は、外耳道や鼓膜に張り付いていることもあるため、自分で無理に引きはがそうとすると、かえって外耳道や鼓膜を傷つけてしまう可能性があります。このような場合は必ず耳鼻科を受診し、医師の処置を受けることが大切です。

「耳垢栓塞を防ぐために耳掃除を頻繁にする」という考えは間違い?!

耳垢は本来、自然に耳の外へ排出される仕組みになっているため、頻繁に耳掃除をする必要はありません。2~3カ月に1度耳鼻科で耳掃除を受ければ、衛生上の問題はないと言われています。頻繁に耳掃除をすると、耳垢を奥に押し込んで耳垢栓塞の原因になるだけでなく、外耳道の奥の鼓膜や中枢神経まで傷つけた結果、生涯にわたって聴力に支障をきたす恐れがあります。
耳垢栓塞を防ぐために、頻繁に自分で耳掃除をするのは逆効果です。どうしても自分で耳掃除したいときは、1~2か月に1回を目安に、綿棒で耳の入り口付近をそっと拭うだけにして、外耳道の奥は絶対に触らないようにしましょう。

おわりに:不快な症状をもたらす耳垢栓塞。改善には医師の治療・処置が必要

耳掃除のし過ぎや、耳垢が水分で膨張するのが原因で発症してしまう耳垢栓塞。自分で対処しようとすると、かえって耳や周辺の神経・器官を傷つけてしまう可能性があります。症状を改善するには、医師による適切な処置が欠かせません。疑わしい症状に気づいたらすぐに耳鼻科を受診して、適切な治療を受けてください。

厚生労働省 の情報をもとに編集して作成 】

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