細菌性食中毒の原因菌にはどんなものがある?

2018/3/8 記事改定日: 2019/5/14
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山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

「食中毒=生ものを食べた時に起こる」というイメージをお持ちの方も少なくないでしょうが、実は他にも気をつけるべき食べ物はたくさんあります。今回は、「細菌性食中毒」を引き起こす原因菌や、要注意の食べ物などを解説していきます。

細菌性食中毒とは?

大腸菌やノロウイルスはよく耳にすると思いますが、実はそれらは食中毒のなかのごく一部でしかありません。食中毒はその原因によって、細菌性食中毒、ウイルス性、自然毒、化学性、寄生虫と、大きく5種類に分類されます。

なかでも細菌性食中毒はさらに2種類に分類され、それぞれ感染型のものと毒素型のものがあります。感染型とは、細菌が体に感染することによって病気が引き起こされるタイプです。細菌が体内に入ってから発症するまで通常半日~5日程度かかります。

一方毒素型とは、細菌が増殖するときに産生する毒素が、付着した食品とともに摂取することで引き起こされるタイプです。毒素を摂取するので比較的早く症状が現れます。

細菌性感染型食中毒の原因菌と食品

細菌性感染型食中毒の原因となる菌には、以下のようなものがあります。

腸炎ビブリオ

腸炎ビブリオは主に魚介類、特に生食用の食品に付着しており、夏季から秋口に多発します。

サルモネラ

サルモネラ菌は鶏肉や鶏卵に付着していることがあります。主症状として下痢が見られます。

病原性大腸菌

病原性大腸菌は食肉、生乳、野菜などさまざまな食品に付着していることがあります。一時ニュースでは、生レバーやユッケを食べた方が集団食中毒になったことが話題になりました。

カンピロバクター

カンピロバクターは主に鶏肉に付着しています。特に鳥刺しなどの生肉は避けたほうが良いでしょう。

ウェルシュ菌

ウェルシュ菌は、根菜類や肉を使ったカレーを食べたときなどに感染することがあります。

赤痢菌

赤痢菌は貝などの海産物や生水に付着しています。

コレラ菌

赤痢菌と同様、海産物や生水に付着していることがあります。

エルシニア・エンテロコリチカ

エルシニア・エンテロコリチカは、食肉や乳製品に含まれていることが多い細菌です。

リステリア・モノサイトゲネス

リステリア・モノサイトゲネスの感染源としては、乳製品(特にフレッシュチーズ)や食肉加工品(生、発酵ソーセージなど)が挙げられます。

細菌性毒素型食中毒の原因菌と食品

細菌性毒素型食中毒の原因として、3種類有名なものがあります。

黄色ブドウ菌

黄色ブドウ球菌はヒトの皮膚の常在菌であり、傷口を化膿させる原因菌でもあります。傷のある素手で作ったおにぎりなどを食べることで感染し、吐き気や頭痛を催します。

セレウス菌

セレウス菌は穀物に多く付着しています。室温で放置された米飯類やスパゲッティなどで繁殖する可能性が高いです。

ボツリヌス菌

ボツリヌス菌は密閉された食品中で神経毒を産生します。摂取すると呼吸困難や神経症状を呈し、死に至る可能性もあります。
この菌を防ぐには、加工段階で原材料をよく洗浄し、食前の十分な加熱が必要となります。

家庭で取り組める細菌性食中毒の予防法

細菌性食中毒を予防するために家庭でできることは大きく分けて4つあります。

保存

冷凍・冷蔵が必要なものはすぐに保存しましょう。他の食品と接触したりしないよう注意し、また冷蔵庫内の温度が上がらないよう、開閉回数を減らすことが大切です。

調理の方法

調理前は手をよく洗い、生肉と野菜で使う調理器具を変えたり、食品の加熱を十分に行ったりといったことを徹底しましょう。

食事を放置しない

作った食事を放置せず、すぐ食べることです。室温に放置するとあっという間に菌が増殖します。

殺菌

調理器具の管理です。洗剤で洗うだけでなく、熱湯をかけたり、日光にあてたり、ふきんを漂白剤に一晩浸けたりして、ひとつひとつの調理器具を殺菌しましょう。

食中毒の症状が現れたら、どう対処すればいい?

食中毒の症状が現れたときには、なるべく早く病院を受診して原因を調べるようにしましょう。
自分でできる対処法としては、消化によいものを食べるように心がけ、電解質が含まれた水分を積極的に摂ることが大切です。

そして、家族など周囲の人に感染を広げる可能性があるため、手洗いや手指消毒を徹底し、トイレなどはこまめにアルコールや次亜塩素酸で消毒するようにしましょう。

おわりに:食品の保存や調理の仕方に気をつけて、食中毒を未然に防ごう

生もの以外にも、室温で放置されたお米や、素手で握ったおにぎりなどが原因で食中毒になることがあります。ご紹介した予防法を日常的に実践することが大切です。

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