酸化マグネシウムが便秘の解消に役立つのはなぜ?

2018/3/23 記事改定日: 2019/5/17
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

胃腸薬などに配合される「酸化マグネシウム」には、便秘を解消する効果があると考えられています。今回の記事では酸化マグネシウムが便秘に効くメカニズムや、便秘の予防法、対処法などについてご紹介します。

酸化マグネシウムとは?

「酸化マグネシウム」とは、マグネシウムを燃やした際にできる白色の粉末です。耐熱性容器やセメントの製造などのほか、胃腸薬などの医薬品に多く用いられています。

酸化マグネシウムは、古来より制酸剤として使われ、副作用の少ない緩やかな下剤として利用されてきました。
1823年にドイツ人医師によって日本に持ち込まれ、その後、高良斎がシーボルトの講義をまとめた「薬品応手録」によって各地に広まりました。1886年には日本薬局方に収載され、以来100年以上にわたって用いられています。

現在では、安全性や経済性、依存性の低さから、便秘の第一選択薬として医療現場で頻繁に用いられています。

酸化マグネシウムは便秘にどのように効くの?

便秘の慢性化の主な原因のひとつが、大腸内の水分不足です。便は腸内の水分を吸収して膨らみ、腸が刺激されて排便がうながされます。
しかし、腸内の水分が少ないと膨らまずに硬くなり、容積も小さくなって、腸を刺激できずに便秘を引き起こします。

解消には水分補給が必要ですが、便秘が慢性化していると、水分補給をしてもほとんどは腸に吸収されてしまいます。
酸化マグネシウムには水分を吸収する働きがあるので、水を吸収したマグネシウムがそのまま便を柔らかくして容積を増やし、腸を優しく刺激してぜんどう運動を活発にし、便秘解消に導いてくれるのです。

酸化マグネシウムを使ってはいけない人

酸化マグネシウムは、腎臓や心臓の機能が低下している人、下痢がある人は基本的に投与しない方が良いとされています。また、高齢者が長期投与する場合にはマグネシウムが体内に溜まりやすくなるため、定期的に血中マグネシウム濃度を測定する必要があります。

さらに、酸化マグネシウムはテトラサイクリン系・ニューキノロン系の抗生物質や骨粗鬆症の薬、不整脈の薬など様々な薬の作用を弱めることがありますので、なるべく併用しない方がよいとされています。

酸化マグネシウムは市販されていますが、使用を開始する際には必ず医師や薬剤師に相談し、服用しても問題ないか確認するようにしましょう。

酸化マグネシウムが効かないのはどんな便秘?

酸化マグネシウムは、便の水分量を増やして柔らかくすることで排便を促す効果があります。
しかし、あくまで柔らかくなった便を自分の力で排出する必要があります。このため、寝たきりなどによって腹筋が低下していること、大腸の動き自体が低下していることが原因で引き起こされる便秘には効果が期待できない場合もあります。
酸化マグネシウムは効果がないにも関わらず漫然と使用を続けると思わぬ副作用を引き起こすこともありますので、服用しても効果がない場合には服用を中止して医師に相談するようにしましょう。

おわりに:慢性的な便秘なら食や生活習慣を見直し、酸化マグネシウムも取り入れてみよう

酸化マグネシウムは、古くから副作用のない緩やかな下剤として利用されてきました。慢性的な便秘があるなら、食や生活を改善しながら市販薬などを利用してみると良いでしょう。それでも便秘が続くようなら、医療機関に受診しましょう。

※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。

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