記事監修医師
産業医科大学第1外科
佐藤 典宏 先生
2017/3/21
記事監修医師
産業医科大学第1外科
佐藤 典宏 先生
健康でバランスの取れた食生活は、若い頃から強い骨をつくり、その状態を生涯維持するためにとても重要です。今回は強い骨をつくるために、おすすめする食品をご紹介します。
私たちは、健康でバランスのとれた食生活を送ることで、健康な骨を維持するのに必要な栄養素を全て吸収することができます。中でもカルシウムやビタミンDは骨を健康に保つために必要な栄養素です。
成人が一日に摂取すべきカルシウム量は700mgといわれています。この量は、品目数を増やし、バランスの取れた食事をすれば摂取することができます。女性は男性よりも骨量が少ないため、よりカルシウム摂取が重要です。
カルシウムの豊富な食材は、例えば以下のようなものがあります。
・牛乳、チーズなどの乳製品
・ブロッコリー、キャベツ、オクラなどの緑の野菜(ほうれん草はおすすめできません)
・大豆
・豆腐
・カルシウムを加えた大豆飲料
・ナッツ類
・イワシなどの魚の小骨
ほうれん草はカルシウムを多く含みますが、シュウ酸も多く含み、体がカルシウムを吸収するのを抑制してしまうため、カルシウムの供給源としてはあまりおすすめできません。
食べ物だけでは十分なビタミンDをとることが難しい可能性がありますが、以下の食品より摂取することが可能です。
・鮭、イワシ、サバなどの油分の多い魚
・卵
・ビタミンDを加えたシリアルなどの加工食品
・一部の粉ミルク
なお、ほとんどのビタミンDは皮膚が太陽の光に当たることで吸収されます。
春から秋にかけては、一日に短時間の日光浴をすることで十分なビタミンDを体内で生成することができます。
また、ビタミンDを含むサプリメントを飲むことは、全ての人に有効な手段です。
骨粗鬆症と診断されたら、カルシウムやビタミンDを含むサプリメントや薬を処方されるかもしれません。しかし、カルシウムやビタミンDに頼りきらず、その他の栄養素もバランス良く食事に取り入れることも重要です。
いくつかの研究によって、ビタミンAと骨粗鬆症の関連性が分かってきました。
予防策として、レバー(ビタミンAを非常に多く含む)を定期的に食べる人は、週に一回程度に抑えるようにするか、レチノール(動物型ビタミンA)を含むサプリメントを飲むことが推奨されています。
骨を強くするために必要なカルシウムとビタミンDの具体的食品が掴めたでしょうか?
逆に、ビタミンAの過剰摂取は骨に良くないとは意外ですよね。
上記を参考に、他の栄養素も考えながらカルシウムとビタミンDを積極的に食事取り入れ、高齢者になっても骨粗鬆症知らずの強い骨を手に入れましょう!