記事監修医師
産業医科大学第1外科
佐藤 典宏 先生
2017/3/21 記事改定日: 2018/7/12
記事改定回数:1回
記事監修医師
産業医科大学第1外科
佐藤 典宏 先生
月経(生理)周期の長さは女性によって異なりますが、健康的な女性であれば、平均的に28日ごとに月経が起こります。
この記事では、月経周期について説明していきます。妊娠を望んでいる人、妊娠を計画していない人、自身の健康状態を知っておきたい女性など、多くの女性に役立つ情報になりますので参考にしてください。
月経周期を理解するためには、女性の体内の生殖器と生理の仕組みついて知っておきましょう。
月経周期はホルモンによってコントロールされています。どの周期でも、エストロゲン値の上昇が卵巣に卵子の製造、またその放出を引き起こします(排卵)。このころから、子宮内膜もが厚くなり始めます。
排卵の後、黄体ホルモンが子宮内膜を厚くするのを助け、妊娠の準備を整えます。
そして卵子は卵管を通って子宮へ移動していきます。
妊娠することがなければ卵子は体内に吸収されます。同時に、エストロゲン値と黄体ホルモン値は下がり、子宮内膜がはがれて月経血として排出されます。
排卵とは、卵巣から卵子を放出することです。女性は卵子をすべて蓄えた状態で生まれます。月経が始まると、ひとつの卵巣(まれに2つ)が発達し、月経周期ごとに排出されます。
排卵の後、卵子は24時間生きています。1ヵ月にひとつ以上の卵子を排出すると、最初のものが排出されてから24時間以内に2つ目の卵子が作られます。
そして、男性の精子と卵子が受精した場合に妊娠します。精子は性行為の後約7日間、卵管の中で生きることができます(最大12日間生存することもあります)。
排卵が起こらない場合、女性は妊娠することができません。
月経周期は、月経の始まりから次の月経が始まる前日までの期間のことをいいます。月経期周期はエストロゲンとプロゲステロンという女性ホルモンによって支配されており、一周期の間に卵子と子宮内膜が成熟し、排卵が起こります。
排卵した卵子が受精して子宮内に着床した場合には妊娠が成立しますが、着床が起こらない場合には、新たな排卵へ向けて成熟した子宮内膜が剥がれ落ちて一つの周期が終了します。この時に剥がれ落ちた子宮内膜が「月経」の正体です。
月経周期はおよそ28~30日前後のことが多いですが、人によって日数は異なり、また常に同じ周期で月経が生じるわけではありません。月経周期を知るためには、基礎体温を測り、低温期や高温期、排卵日などを把握することが大切です。
月経周期には低温期と高温期があります。低温期は卵巣の中で卵子が成熟し、排卵が起こるまでの時期です。月経開始日から排卵日前日までが低温期にあたります。一方、高温期は排卵が生じて次の月経が開始する前日までの時期です。妊娠が成立した場合には、高温期が持続した状態となります。
妊娠しやすい時期は、排卵日の前後2日ほどの期間であり、安全日(妊娠しにくい時期)は月経開始日から一週間や排卵が終了してから一週間ほど経過した頃です。
しかし、このような基礎体温による予測はあくまでも目安であり、避妊を希望する場合はコンドームの着用などで確実な避妊を行うようにしましょう。
月経周期が常に一定である人は珍しく、ちょっとしたホルモンバランスの変化によって乱れるものです。月経周期が乱れる原因には次のようなものが挙げられます。思い当たることがある人は普段の生活を見直したり、医師に相談するようにしましょう。
自分の月経周期をきちんと把握することは、計画的な妊娠の助けになるだけでなく、自身の健康のバロメーターとしても役立ちます。少し面倒かもしれませんが、基礎体温をきちんと測って、自分の月経周期を常に把握するようにしましょう。