帯状疱疹はワクチンの効果と副作用とは?費用はどれくらいなの?

2017/3/23 記事改定日: 2019/4/24
記事改定回数:2回

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

帯状疱疹の発症率を低減させることと、重症化を予防する目的で50歳以上の予防が追加承認された帯状疱疹ワクチン。
この記事では、帯状疱疹ワクチンの効果や副作用、注意事項などについて見ていきましょう。

帯状疱疹が重症化するとどうなるの?

帯状疱疹は2~3週間で治ることも多いですが、免疫力が低下しやすい方や高齢の方の場合は合併症として「帯状疱疹後神経痛」を発症しやすく、皮膚症状が完治しても長期間痛みが残る可能性があります。

また、まれにですが〈眼合併症、髄膜炎や脳炎、血管炎・脳梗塞〉などを発症する可能性もあるので、帯状疱疹を発症したら放置せずに早めに病院で治療を受けることが大切です。

帯状疱疹ワクチンにはどんな効果があるの?

帯状疱疹ワクチンは水ぼうそう予防に使われる水痘ワクチンと同じもので、成人の水ぼうそうと帯状疱疹にかかるリスクを減少させる効果があります。
また、ワクチンを接種することで、帯状疱疹を発症しても症状が軽くなったり、病状期間は短くなります。

帯状疱疹ワクチンは過去に帯状疱疹になった人に対しても、将来的な帯状疱疹に対する免疫力をさらに増強して発症リスクを低下させる効果があります。

※2016年3月、厚生労働省は子供の水ぼうそうの予防に使われていた乾燥弱毒生水痘ワクチンを50歳以上の方に限って帯状疱疹の予防のために使用することを認めました。

副作用

帯状疱疹ワクチンは比較的安全性が高いですが、まれに接種後、数時間経ってから発疹、じんましん、かゆみなどの副作用が起こることがあります。
また、併用禁忌とされているステロイドと免疫抑制剤との併用は絶対に避けてください。

成人の帯状疱疹ワクチンは何歳から接種したら良いの?

帯状疱疹ワクチンの接種は基本的には任意なので、年齢は特に決められていません。
ただ、帯状疱疹の発症する年代が50代~60代に多いことと、加齢によって免疫力が低下するにしたがって重症化したり、合併症である「帯状疱疹後神経痛」を発症するリスクが高くなることから、特に50歳以上の方に推奨されています。

しかし、最近では帯状疱疹が若年層にも多く見られます。
幼児期に水ぼうそうに罹っていても、そのときに作られた抗体は20年後には弱くなるので、予防のためにワクチン接種を考えても良いでしょう。

帯状疱疹ワクチンを接種できないのはどんなとき?

日本で使用される帯状疱疹ワクチンは、水痘ウイルスを弱毒化して得られる生ワクチンです。
そのため、明らかに免疫機能に異常のある場合や、免疫力を抑制をする治療を受けている場合は接種することができません。
また、組成に「カナマイシン」「エリスロマイシン」という抗生物質が含まれるため、過去にこれらへのアレルギー反応を起こした方や、妊娠している方やその疑いのある方は接種することはできません。
(※ワクチン接種後2ヶ月間は避妊する必要があります)

加えて、別の予防接種を受ける場合は片方のワクチンを接種してから27日以上間隔を空ける必要があります。ただし、インフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンとは接種時期が近くても受けることができます。

帯状疱疹のワクチンの費用はどれくらいなの?

帯状疱疹のワクチンは、2016年に50歳以上の中高年者を対象に接種が推奨されています。
ただ、定期接種には定められていないため、費用は自費になります。予防接種にかかる費用は医療機関によっても異なりますが一回の接種で5000~7000円ほどが相場です。
また、ワクチンの効果は1回接種で10~15年ほどと考えられています。

帯状疱疹ワクチンでヘルペスは予防できる?

ヘルペスは小さな水ぶくれが集まった状態のことで、ヘルペスウイルスが皮膚や粘膜に感染して水ぶくれができる病気のことを指します。
水ぶくれを引き起こすヘルペスウイルスは数種類ありますが、代表的なウイルスは、水ぼうそうや帯状疱疹の原因となる〈水痘・帯状疱疹ウイルス〉と、口唇ヘルペスや性器ヘルペスなどの原因となる〈単純ヘルペスウイルス〉です。

水痘・帯状疱疹ウイルスも単純ヘルペススウイルスもヘルペスウイルスの一種ですが、帯状疱疹ワクチンでは単純ヘルペスや性器ヘルペスを予防することはできません。
単純ヘルペスや性器ヘルペスの予防には現在のところ有効なワクチンがないので、感染者との接触を避けることや日頃から免疫力を高めることで対応しましょう。

おわりに:帯状疱疹ワクチンで発症を予防&症状の重症化を防ごう!

帯状疱疹ワクチンを接種することで帯状疱疹の発症リスクを下げ、万が一発症しても重症化を避けることができます。ワクチン接種は任意ですが、特に発症率の高い50代~60代の方は予防接種を受けるかどうか一度検討してみてください。

※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。

この記事に含まれるキーワード

水痘帯状疱疹ウイルス(2) 帯状疱疹後神経痛(PHN)(2) 乾燥弱毒生水痘ワクチン(1) 50歳以上(1) 帯状疱疹予防(1)