記事監修医師
前田 裕斗 先生
2023/7/5
記事監修医師
前田 裕斗 先生
手足口病は子供の発症例が多い感染症であり、赤ちゃんに感染することもあります。この記事では、赤ちゃんの手足口病の症状や感染経路、自宅での看病の方法について解説しています。発症したときに早く回復させてあげるには、正しいケアを知っておくことが役立ちますので、参考にしてください。
手足口病は、ウイルス感染によって発症する感染症の一種です。感染すると、3~5日間の潜伏期間を経て発症し、その後約1週間にわたって、手・足・口への発疹や発熱など、さまざまな症状を引き起こします。感染する人の半数が5歳未満、さらにその半数が0~4歳の乳幼児であること、夏季に流行することから、子どもがかかりやすい代表的な夏季の感染症として認知されています。
手足口病は、一度感染してウイルスに耐性ができるとその後は感染・発症しにくくなりますが、0~5歳までの乳幼児にはまだ耐性がありません。母乳による免疫効果も6か月ほどで切れるとされているため、0歳の赤ちゃんでも手足口病を感染・発症する可能性は十分に考えられます。
手足口病の代表的な症状には、手のひら、足の甲と裏、口の中に痛みやかゆみを伴う赤い発疹や水疱ができたり、高熱を出すなどが挙げられます。赤ちゃんが手足口病を発症した場合の初期症状には、いきなり38度前後の高熱が出たり、口の中に発疹が出ることが多いといわれています。上記の他、赤ちゃんに出やすい手足口病の症状としては、以下が挙げられます。
赤ちゃんが手足口病を発症する原因は、夏風邪を引き起こす「コクサッキーウイルス」や「エンテロウイルス」などへの感染です。原因となるウイルスの種類が1つではないため、病名は同じ手足口病であっても、感染するウイルスの種類によって症状も少しずつ違ってきます。
また、一度感染したウイルスには耐性ができますが、別の種類のウイルスに感染した場合は、再度手足口病を発症することもあります。赤ちゃんの手足口病の感染経路としては、以下の3つが考えられます。幼稚園や保育園に通っていたり、こども教室に頻繁に参加するなど、他の乳幼児との接触の機会が多くなるほど、ウイルスに感染するリスクはどうしても高くなります。
手足口病を根本治療する方法はないため、赤ちゃんが発症した場合の治療法も、発疹による痛みやかゆみ、発熱を抑えるための対症療法が中心になります。口の中の痛みがあるため、普段食べているものが食べられなくなってしまうことがあるので、塩味や酸味が少なくのどごしがいいものを食べさせるようにしてください。また、こまめに水分を補給させ、食後に軽く口をゆすがせるなどして口の中を清潔に保つようにしましょう。
赤ちゃんも手足口病になる可能性は十分にあり、発症すると38度以上の高熱が出ることもあります。手足口病は特効薬がないため、赤ちゃんが発症したときも対症療法を中心に治療が進められます。口の中の痛みで普段の食事がとれないことも多いので、のどごしのいいものや口当たりのいいものを食べさせて体力が落ちないようにしましょう。また、脱水防止のためにこまめに水分補給させるよう注意してください。