記事監修医師
前田 裕斗 先生
2018/4/19
記事監修医師
前田 裕斗 先生
カンジダ腟炎の治療薬には、市販の治療薬と病院で処方される治療薬があります。
この記事で、市販の治療薬と病院で処方される治療薬の種類や使用上の注意事項などを見ていきましょう。
カンジダ腟炎が再発した場合に使える市販薬は、大きく分けて腟錠と軟膏(塗り薬)の2種です。
詳しい使い方は商品によって異なりますが(使用前には説明書をきちんと読みましょう)、腟錠は腟内に直接挿入してカンジダ菌を殺し、軟膏は外陰部に塗ることでかゆみやただれを緩和する効果があります。
市販薬に配合されているカンジダ菌の殺菌成分には「イソコナゾール」「オキシコナゾール」「クロトリマゾール」「ナイスタチン」「ミコナゾール」などがあります。
根本治療のために、上記のような殺菌成分が含まれている市販薬を選ぶようにしましょう。
初めてカンジダ腟炎を発症した場合、その症状が本当に腟カンジダなのかどうか自分で判断するのは難しいため、婦人科や産婦人科で診断を受ける必要があります。
そのため、市販薬を使えるのは再発した場合のみで、初めてカンジダ腟炎になった場合や、病院でカンジダ腟炎の治療を受けたことのない場合は必ず医師に診てもらうようにしてください。
一般的に病院で処方されるのは、〈抗真菌薬の腟錠(腟坐剤)、軟膏・クリームなどの塗り薬、経口錠薬〉です。
合併症を起こしていないカンジダ腟炎の場合、腟洗浄後に腟錠を腟深部に挿入する方法で治療することが多いです。連日通院する際の代表的な治療薬は以下の通りです。
・エンペシド®腟錠100mg
・フロリード腟坐剤100mg
・バリナスチン®腟錠100mg
・オキナゾール®腟錠100mg
腟錠を週1回挿入する治療方法もあります。効果については先述の連日投与が勝るとする説も見られますが、基本的には遜色ない治療効果があるとされ、連日通院する手間からこちらの方法が選択されることが多いでしょう。
代表的な治療薬は以下の通りです。
・バリナスチン®腟錠300mg
・オキナゾール®腟錠600mg
軟膏やクリームの塗布は腟錠を使った治療と並行して行われることが多いです。
代表的な治療薬は以下の通りです。
・エンペシドクリーム®1%
・パラベール®クリーム1%
・オキナゾール®クリーム1%
男性の場合は、抗菌成分が配合された軟膏やクリームなどの外用薬での治療が行われることが多く、患部に直接塗布すると次第に症状が和らいでいきます。
ですが、カンジダ菌の繁殖が尿道などの体の中に入り込んでしまっている場合は外用薬での治療は効果がないため、体内に侵入した雑菌には抗生物質などの内服薬が必要になります。
(※内服薬は毎日決まった時間に服用する必要があります)
カンジダ症の治療薬には市販のものも病院で処方されるものもありますが、市販薬を使えるのは再発した場合です。初めてカンジダ症になった方や病院でカンジダ症の治療を受けたことがない方は、まずは病院で医師の診察を受けてください。
また、カンジダ症は再発しやすい病気です。
治療途中に症状が改善しても医師の指示があるまでは治療をきちんと続けるようにしましょう。
※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。