記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/4/19
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
高血圧の薬を服用するときは、グレープフルーツジュースを飲んではいけない、と聞いたことはあっても、なぜ飲んではいけないのだろうと疑問に思ったことはありませんか?この記事では、飲んではいけない理由とともに、グレープフルーツ以外にも摂取してはいけない果物や、代わりに食べられる果物なども紹介します。
代表的な降圧薬として、以下のようなものがあります。
血管を拡げるとともに、血液が通る量を増やして血圧を下げる働きがあります。
血管を収縮させるアンジオテンシンⅡが受容体に結合するのを抑えるとともに、血管を拡げて血圧を下げる働きがあります。
血管を収縮させて血圧を上げるアンジオテンシンⅡを作る酵素の働きを抑えるとともに、血管を拡げて血圧を下げる働きがあります。
尿の排出を促すことで塩分や水分を減らすことで血圧を下げます。
心臓のポンプ機能をゆるやかにして血圧を下げます。
血管の収縮を抑えて血圧を下げます。
降圧薬のうち、カルシウム拮抗薬を服用している場合、グレープフルーツジュースと一緒に飲まないほうがよいと言われています。
カルシウム拮抗薬とグレープフルーツジュースを一緒に飲んでしまうと、グレープフルーツに含まれる成分(フラノクマリン)が体内で薬を分解する酵素(代謝酵素)の働きを阻害して薬の分解を遅らせてしまうためです。この成分はグレープフルーツの果実にも含まれているため、ジュースだけでなく、果物を食べることも控えましょう。
薬の分解が遅れると薬の効き目が強く出てしまうため、血圧が極端に下がったり、心拍数が極端に上がったり、めまいやふらつき、頭痛、顔のほてりといった症状があらわれます。
グレープフルーツだけでなく、ザボンやダイダイ、スウィーティーといった果物にも、薬の分解する酵素の働きを阻害する成分が含まれています。グレープフルーツだけでなく、これらの果物も、カルシウム拮抗薬を服用している間は食べるのを控えてください。
ただし、レモンやみかん、オレンジなどには代謝を阻害する成分が含まれていません。これらの果物やジュースであれば、薬を服用している間も食べることができます。
カルシウム拮抗薬を服用している間は、グレープフルーツジュースを飲まないのがおすすめです。グレープフルーツジュースの影響は、摂取してから10数時間続くと言われているため、薬との相互作用を避けるのが難しいためです。
どうしても食べたい場合は、食べても問題のないかんきつ類(レモン、みかん、オレンジ)を食べるか、医師にグレープフルーツの影響が少ないほかのカルシウム拮抗薬に変えてもらえるかどうかを相談してみてください。
高血圧の降圧薬としてカルシウム拮抗薬を服用している場合、グレープフルーツを食べるのも、ジュースとして飲むのも控えたほうがよいと言われています。好きな食べ物が食べられなくなるのはつらいですが、薬の効きすぎを防ぐためにも、服用中は食べるのを控えましょう。