糖尿病を長期間放置するとどうなる?死亡リスクや寿命について

2018/5/11

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

糖尿病と診断されたものの、長期間にわたって放置した場合、どんなリスクがあるのでしょうか?放置した場合の寿命リスクや寿命について解説します。

糖尿病を5年放置すると?

糖尿病を放置すると、血糖値が高い状態が続くことで体内の血管がボロボロになり、さまざまな健康リスクが生じます。例えば約3〜5年放置した場合は糖尿病神経障害、約7〜8年で糖尿病網膜症、約10年で糖尿病腎症が進行しやすくなると言われています。これらは糖尿病の三代合併症と言われ、QOL(生活の質)を著しく下げたり、死亡リスクを上昇させる病気としても知られています。

5年放置した場合にリスクが上がる糖尿病神経障害とは、高血糖によって手足など末端の細小血管の血流が悪化し、神経細胞への血流が途絶えるために自律神経障害や知覚障害が起きた状態です。進行すると手足の感覚が鈍くなり、怪我をしても気づかなくなることで傷口が化膿し、壊疽を起こして切断を余儀なくされることがあります。

また、糖尿病網膜症は、糖尿病を7年放置した場合は50%以上、20年放置した場合は90%以上の割合で発症する眼病です。目の網膜付近の細小血管が傷つき、破れたりすることで出血を起こしたり、網膜剥離を起こすことで失明のリスクがあります。

糖尿病を放置すると寿命が縮む?死亡リスクも上がる?

糖尿病患者は、健康な人と比べて寿命が10年前後短いと言われています。これには、先述の合併症も大きく関連しています。

例えば、糖尿病によって高血糖の状態が続くと、腎機能が低下します。これが糖尿病腎症の状態です。腎臓は血液をろ過して老廃物を尿と一緒に排出する働きがありますが、この機能が低下すると体内に老廃物が溜まってしまい、尿毒症を起こし、死亡することがあります。

また、高血糖状態が続くと、脳や心臓などの太い血管で動脈硬化が進行します。動脈硬化が進行すると、血管内が狭くなることで血流が途絶えたり、あるいは血管内のプラークが剥がれて血管に詰まることで、心筋梗塞や脳梗塞など死亡リスクの高い状態を招きます。糖尿病患者は糖尿病でない人と比べ、脳梗塞や脳出血のリスクがおよそ2〜4倍、心筋梗塞のリスクが3倍以上あるとも言われています。

おわりに:合併症により死亡リスクを上げる糖尿病。早期治療が肝心

国民病とも言われる糖尿病は、初期段階では目立った症状がなく、また食事制限や運動を要するために放置してしまう患者さんも少なくありません。しかし5年、10年と放置すればするほど、血管や各臓器が傷つき、死亡リスクが上がることにつながります。糖尿病や予備軍と診断されたら、すぐに治療を開始することが重要です。

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