予防接種の同時接種にリスクはないの?

2018/5/2

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

複数の予防接種を同時に接種する「同時接種」。この同時接種には、身体上のリスクはないのでしょうか?副反応はないのか、何本までなら同時接種しても安全か、といった気になるポイントも解説します。

予防接種の同時接種にリスクはないの?

2種類以上の予防接種を同時に、同じ対象者に行うことを「同時接種」と言います。複数のワクチンを同時に身体に入れる、と聞くとなんとなく危ないような感じもしますが、実際にはリスクのない医療行為で、一般的に広く実施されています。

日本小児学会からも「ワクチンの同時接種は、日本の子供たちをワクチンで予防できる病気から守るために必要な医療行為」として、リスクがないとする見解が公表されています。

例えば、乳幼児~小児にかけての接種が義務付けられている複数の予防接種を、一定の年齢までに免疫を付けるために、同時接種することも少なくありません。このように、ワクチンの同時接種はリスクのない医療行為として、子供から大人まで幅広い世代を対象に世界中で行われているのです。

予防接種の同時接種をしないほうがいいのでは?

前述したように、乳幼児~小児にかけて、日本では一定の年齢までに複数の予防接種を受けることが義務付けられています。これらの予防接種を一種類ずつ受けていると、規定の年齢(月齢)までの接種完了が間に合わなくなったり、しかるべきタイミングで病気への免疫を獲得できない恐れがあるからです。

特に、ヒブ感染症や肺炎球菌などは、予防接種で防げる病気でありながら乳幼児期から発症するリスクが高いため、一刻も早く予防接種で免疫を獲得することが推奨されています。

このような状況のなかで、一種類ずつ予防接種を受けていて予防が間に合わず、病気を発症して危険な状態になったのでは、元も子もありません。もちろん、保護者の強い希望があれば一種類ずつ接種することも可能ですが、一刻も早く確実な子供の免疫獲得のためには、同時接種した方が良いとされているのです。

予防接種の同時接種をしていいのは何本まで?

同時接種をする際に、予防接種の本数に対しての制限はありません。

複数種の予防接種を同時接種しても、ヒトの免疫機能にかかる負荷は全体の0.1%ほどと非常に少ないため、基本的には何本でも同時接種して良いとされています。

また、予防接種には注射ワクチン(生ワクチン・不活化ワクチン)から経口ワクチンまでさまざまな種類がありますが、どのような種類との組み合わせでも同時接種が可能です。

予防接種の同時接種で副反応が出ることはないの?

同時接種によって、予防接種後の副反応が出やすくなったり、数種のワクチンが複合的に作用することによる特殊な副反応が起こることはないとされます。また、複数の種類のワクチンを数本同時接種する場合も、混合ワクチンを接種する場合も、それぞれのワクチンの効果が弱くなるなど悪影響が出ることもないとされています。

なお、接種を受ける子供本人に病気や体質的な問題があるとしても、これがワクチンに影響して副反応が起きやすくなる、ということもありません。このように、副反応やワクチンの効果への悪影響がないからこそ、世界中で同時接種が推奨されているのです。安心して同時接種を受けてください。

おわりに:対象者の年齢・状態にかかわらず、基本的に同時接種にリスクはない

一般の人からすれば、一度に複数の病気のワクチンを身体に入れることに、不安や恐れを感じるのも無理はないでしょう。しかし予防接種に使用されるワクチンは、病気の感染・発症予防のために免疫を作れるよう、きちんと工夫して作られたものです。同時接種しても、これによってリスクが大きくなるわけでないことは世界的に認められていますので、安心して接種してください。

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