線維筋痛症の薬と副作用について。薬が効かない場合もある?

2018/5/7

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

全身で強い痛みを感じ、日常生活もままならなくなってしまう線維筋痛症。この線維筋痛症を治療するには、どんな薬が有効なのでしょうか?代表的な薬や漢方薬、そして薬が効かないケースについて解説します。

線維筋痛症の薬と副作用:①リリカ®

リリカ®は、痛みを緩和する疼痛治療薬の一種です。炎症性の痛みではなく神経の痛みに有効で、過剰に興奮した神経から発生する痛みの信号を抑制する作用があります。一定期間服用を続けることで効果を発揮するタイプの薬です。

リリカ®の副作用としては、めまい、眠気、意識障害があります。また、人によって体重増加が見られることもあります。

線維筋痛症の薬と副作用:②サインバルタ®

サインバルタ®は、中枢神経系の痛みを緩和する作用があり、線維筋痛症や糖尿病性神経障害、慢性腰痛症などの疼痛の治療で処方されます。最初は20mgの服薬から始め、最終的には60mgへ増量させていくのが一般的です。

主な副作用として、眠気やめまい、吐き気、頭痛、じんましん、イライラ、不安感などが出る恐れがあります。

線維筋痛症の薬、漢方も効く?

線維筋痛症は、漢方薬で痛みが改善するケースもあります。漢方では、線維筋痛症を「肝鬱気滞(肝気の流れが悪くなった状態)」ととらえるため、肝臓と腎臓に作用する漢方薬を処方することが多いです。具体的には、下記の漢方薬があります。

  • 抑肝散(よくかんさん):肝の高ぶりを抑えることで、神経症状を緩和します。線維筋痛症は激しい痛みから睡眠障害を併発することが多いですが、抑肝散は不眠症にも効果を発揮すると言われています
  • 柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう):神経症や不眠の原因である、気や血の停滞を解消する作用があります。神経を緩和する作用があり、脳の興奮からくる神経症状や不眠を改善します
  • 桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう):神経痛や関節痛などを緩和する作用があります。冷え性体質の人に特に効果を発揮します

線維筋痛症の薬が効かないこともある?

線維筋痛症は、一般的な痛み止め薬(NSAIDs: 非ステロイド性抗炎症薬)はほとんどの場合効きません。ご紹介したリリカ®やサインバルタ®のような神経に効果を発揮する薬や、抗うつ薬などが有効です。ただし、薬での効果が出やすいのは、若い女性や発症して間もない(2年以内)患者という傾向があります。

なお、線維筋痛症そのものへの特効薬は開発されていない現状であり、また服薬をしてもストレスによって症状が悪化するケースも少なくない点から、認知行動療法やカウンセリングなどの精神療法も並行して行うことが重要です。特に線維筋痛症を発症する患者さんは完璧主義の場合が多く、過労がきっかけで発症することもあるので、そうした根本的な心のクセを少しずつ見直していくように努めましょう。

おわりに:線維筋痛症の治療では多面的なアプローチが必要

線維筋痛症は強い痛みが特徴ですが、一般的な鎮痛薬で解消されるタイプの痛みではありません。神経に作用する、適した薬を服薬することが大切です。また、発症や悪化にはストレスが関与している可能性が高いため、薬だけでなく多面的なアプローチで症状を改善していくのがポイントになります。

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