不正出血が続く原因は? ― ピル、生理後の不正出血について

2018/5/28

前田 裕斗 先生

記事監修医師

国立成育医療研究センター フェロー

前田 裕斗 先生

ピル服用中の不正出血はよく起こる副作用の1つです。ただ、生理でもないのに出血が止まらないと、なにかの病気ではないかと心配になる人も多いでしょう。ここではピルが不正出血を引き起こすメカニズムや、その他の生理後の不正出血の原因について解説します。

ピルを飲んでいる時に不正出血が起こる原因は?

ピルは女性ホルモンが配合された薬であり、人工的に月経周期と似た女性ホルモンの周期を作ることで定期的に月経を起こします。ピルを飲み始めてすぐは人工的に女性ホルモンが補充されることでホルモンバランスが一時的に乱れ性器出血を起こすことがあります。また、ピルに含まれる女性ホルモンは少なく抑えられていることから、子宮内膜が不安定となり性器出血を起こすこともあります。いずれもピルを始めて最初の1−3周期に起こることが多いです。

また、ピルの飲み忘れによっても不正出血が起こることがあります。飲み忘れた場合も気づいたその日から再度飲み始めることが可能です。添付文書を確認したり、医師に相談するなどして対処法を確認してください。

不正出血が続くときは病院へ

上記のように不正出血が起こりやすいのは飲み始めの数周期です。ピルを数か月間継続して服用しているのに不正出血がなくならない場合や、出血量が減らない場合には、医療機関を受診しましょう。

生理後に不正出血が続く場合は?

生理開始から14日目頃の出血は、排卵に伴った「排卵出血(中間期出血)」の可能性があります。基本的には出血が少量のことが多く、経過を見るのが一般的です。

排卵出血とは

排卵出血は生理と次の生理の中間に起こる出血で、排卵期出血または中間期出血とも呼ばれます。これは排卵直前、一時的にエストロゲンの分泌量が減ることで起こるもので、生理的現象であり、病的なものではありません。

排卵出血は毎月起こる人もいれば、半年に一度の頻度で起こる人もいます。まったく排卵出血の症状がみられない人も少なくありません。主な症状は、排卵日前後に起こる出血で、一般的に2~3日程度続きます。また排卵出血と同時に、チクチクと下腹部に痛みを伴う排卵痛を感じる人もいます。

排卵出血の色と量

排卵出血の場合、血の色は赤い鮮血であることが多いですが、茶褐色、ピンク色などの場合もあり、個人差があります。そのため、出血の色だけで排卵出血かその他の不正出血なのかを判断するのは難しいです。

ただし、排卵出血の量は少量で終わることがほとんどなので、少量の出血であれば排卵出血、出血量が多い場合はその他の不正出血の可能性があります。

また、排卵出血が起こる期間は短く、一般的には2~3日程度とされています。まれに1週間ほど排卵出血が続くこともありますが、出血量が多く長く続く場合は、その他の不正出血の可能性があります。

少量の不正出血の原因は?

少量の不正出血が続く場合は、機能性出血の可能性があります。機能性出血とは、子宮筋腫や子宮腺筋症などの器質的疾患がないにもかかわらず生じる不正出血のことで、主にホルモンバランスの乱れにより生じます。そのため、ホルモンバランスが安定しない思春期や更年期のころによくみられます。ダラダラと出血が続く無排卵月経や、生理前に少量の出血が続く黄体機能不全、脳下垂体や卵巣などのトラブルによる不正出血がこれに該当します。

黄体機能不全とは?

「黄体機能不全」とは、黄体(=排卵後の卵胞が変化したもの)が正常に機能していない状態のことです。黄体には、黄体ホルモン(プロゲステロン)を分泌して、子宮内膜を維持する働きがあるのですが、黄体機能不全になると黄体ホルモンの分泌量低下や期間短縮が起こり、以下のようなさまざまな症状が現れます。

黄体機能不全の症状:①生理周期(月経周期)が短い

黄体機能不全になると、黄体ホルモンの量が少なくなるため、排卵後から生理が始まるまでの期間(黄体期)が短くなります。
成人女性の正常な生理周期は25~38日間ですが、生理周期が24日以下の場合、黄体機能不全の可能性があります。

黄体機能不全の症状:②生理前の症状が軽い

生理前の黄体ホルモンが増加する期間は、イライラや微熱、胸の張り、眠気など、生理前特有の症状を感じる人は少なくありません。
しかし黄体機能不全になると、黄体ホルモンの分泌量が低下するため、このような生理前特有の症状が起こらなくなったり、症状が軽くなったりすることがあります。

おわりに:不正出血が長く続く場合は婦人科で相談を

ピルを使用している際の不正出血はよく起こることなので、服用中に不正出血が起きても、ひとまずはそのままピルを服用し続けてみてください。ただし、出血量が多く長く続く場合は、その他の疾患などによる不正出血の可能性があるので、婦人科を受診してください。

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