記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/3/23 記事改定日: 2019/9/20
記事改定回数:2回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
親にとって、子供が思春期を迎えると対処しづらくなります。多少言葉がけんか腰になるならまだしも、暴力をふるう場合もあります。子供が自分に向かって暴力を振るうようになったとき、親はどうすればよいのでしょうか?
親が小学生・中学生の子供から暴力を振るわれること自体、珍しいことではありません。ただ、こうした行為が密室で行われるため、誰にも気付かれない場合が多いです。また多くの場合、暴力を振るわれるのは親が子供を管理できていないから、親としての能力が足りないからと自分を責めるばかりで、子供とどう向き合えばいいのかわからなくなったりします。
しかしどのような状況であったにせよ、暴力はストレスになりますし、家の中もギスギスします。殴る、蹴るといった暴力を振るってくるなら、なおさらです。いら立つ子供の態度や暴力に耐える必要はありません。ドメスティック・バイオレンス(DV)と同じく、支援を受けるべきなのです。
親の行動しだいで、子供の行動がよくも悪くも変わります。親自身が言葉と行動が食い違っていたなら、子供に何を注意しても聞く耳を持たないのは当然です。親自身が子供のお手本になるよう、意識することが大切です。
また、次のようなことにも気をつけるとよいでしょう。
子供の怒りはやり場のない感情や表現の現れであること、そして、子ども自身もどうしたらいいかわからなくなっていることが多いです。そのため、子供を威嚇したり、食ってかかるような態度を取ってはいけません。
また、言葉だけでなく、目や態度でも感情は伝わります。親が子供の目をじっと見ると、子供は息苦しさを感じることもあります。まずは子供に言いたいことを言わせてから、穏やかに話をするようにしてください。
親子ともにいらだってきて会話の収拾がつかなくなってきたら、親がいったん会話を止めて、5回くらい深呼吸してください。その後、いら立っている子供にも深呼吸させましょう。そうすると、お互いに怒りが落ち着いてきます。それでも落ち着かないときは、いったんその場を離れ、30分後に再び話し合うと伝えてください。時間を置くことで、冷静さを取り戻すことができます。それでも子供が叫んだり脅したりするなら、しばらく好きにさせましょう。
子供との話し合いがいつもうまくいかないなら、子供にカウンセリングを受けさせるとよいでしょう。見ず知らずの人とフランクに話し合えることのメリットは、子供にとって大きいです。
子供の攻撃的な態度が暴力に変わることがあります。その場合、まず身の安全を確保することが大切です。
暴力は絶対的にいけないなことを伝え、落ち着くまでひとりにします。自室や家から出ても落ち着かない様子のときは、警察に連絡してください。たとえ自分の子供だったとしても、行きすぎた暴力を振るうようなら、強硬手段に出て身を守ることのほうが重要です。また、親として態度をはっきり示すことも必要です。暴力だけは絶対に容認できないことを、子供にわからせなけければなりません。
また、学校に連絡して、子供が学校でも暴力を振るっていないかを確かめたり、カウンセリングを手配したりすることも必要です。もし、子供がカウンセリングを受けることを嫌がらない場合は、できるだけ早くカウンセラーと話をする機会を設けてください。