記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/1/13
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
「金の切れ目が縁の切れ目」という言葉があるように、
借金などの金銭トラブルは人間関係に深い亀裂を与えます。
そしてそれは、夫婦間でも同じ。
夫が突然会社をクビになって収入が途絶えたり、
事業に失敗して借金ができてしまったり、
そんな問題を夫婦で乗り越え、
円満な生活を送っていくにはどうすればいいでしょうか?
「家計が苦しいんだから、当然飲み会は全部断ってよね」
「俺にも付き合いがあるんだ。そもそもお前がいらないものばっかり買って無駄遣いするのも悪い!」
――借金やリストラなど家庭が金融難に陥ったとき、このようにいまの状況を責め合う夫婦は少なくありません。
ほかに考えられる影響としては、以下のものがあります。
・(解雇された場合)収入がなくなり、「無職」という事実に自尊心や自信が傷つく
・プレゼントをあげるなら、お金で買う以外の方法を考えなければならなくなる
・セックスレスになる
多くの人は、ストレスを感じているときには愛情表現を避ける傾向にあります。
円満な夫婦生活を取り戻すためにできることはたくさんあります。
下記の方法を参考にしてください。
まずは現実的な面に対処していきましょう。
借金全額を返済できる見通しがあるのか、当座貸越の上限を超していないかなど不安な場合は住宅ローン会社や銀行、専門アドバイザーに相談してください。借金返済のためのアドバイスを受け、職探しをする計画を立てましょう。
これまで金融難に陥ったことのない人は恥ずかしく思ってしまうことがありますが、恥ずかしがらないでください。専門アドバイザーは、あなたのサポートをするためにいるのです。面と向かって話したくない場合は、電話での相談やインターネットで入手可能な情報を仕入れるのもいいでしょう。
パートナーに、いま自分が直面している金銭トラブルを話してみることも大切です。秘密にすると怒らせてしまう可能性があるからです。
問題について話し合い、一緒に対処できそうな方法で解決しましょう(一緒に金融アドバイザーのもとへ行く、毎週の家計予算を考えるなど)。
また、友人に相談するのもおすすめです。
男性は問題を自分の中に溜め込み、孤立しやすい傾向があります。
一方の女性は、女友達に対して自分のことを打ち明けやすい傾向があります。友人に話すことで問題解決につながるわけではありませんが、すべて隠さずに話すことで心が軽くなるでしょう。
どうしてお金がなくなってしまったのか、どうして職を失ってしまったのかなど、原因について話し合うことは個人としても夫婦としても大切なことです。これまでどこで散財してしまっていたか、反省するいいきっかけにもなるかもしれません。
十分振り返ったら、散歩へ行く、家で美味しい食事を作るなど、お金を使うことなく一緒にできることを考えましょう。
相手のためにお風呂を沸かす、紅茶を淹れるなど、あなたができそうなちょっとした行動があるはずです。案外、こういった小さなことが夫婦円満の秘訣だったりします。
ストレスのある状況は性生活に影響する可能性があります。
特に解雇された人は自尊心が傷つけられ、自分の行いが批判されていると感じてしまうことで、うまく愛情表現ができなくなるケースがあるのです。
寄り添って眠る、お互いに触れ合う、キスをする、などの愛情表現を止めないでください。お金がなかったとしても、親密で円満な夫婦生活は維持できます。
「自分の力では解決できない」と感じてい人のために、精神的なサポートをしてくれる人々がいます。プロのセラピストに相談するのはもちろん効果的ですし、病院を受診して心療内科を紹介してもらうのもいいでしょう。
参考になる対処法は見つかったでしょうか?金銭トラブルに直面すると、自暴自棄になってしまったり、夫婦喧嘩が絶えなくなったり、つらいことが続いてしまうと思います。ただ、そんなときこそ冷静に現実に向き合い、できることから夫婦で一緒に乗り越えていくことが円満な夫婦生活には欠かせません。あまりにも落ち込んでいるようなら、専門医のサポートを得て、精神的な健康を取り戻すことからはじめてみてはいかがでしょうか。