記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/5/21 記事改定日: 2019/2/27
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
「お風呂に入ったら頭痛が治った!」なんて話を聞いたことはありませんか?果たしてお風呂に入ると頭痛が治るというのは本当なのでしょうか?また、お風呂に入って逆に悪化するケースもあるのでしょうか?
慢性頭痛は、お風呂に入ると和らぐ場合もあれば、悪化する場合もあります。具体的にいうと、緊張型頭痛であれば入浴によって治りやすいです。
緊張型頭痛とは、長時間同じ姿勢を続けたことやストレスなどによって、肩や首の筋肉が緊張したことで起こる頭痛です。筋緊張で血流が悪化すると筋肉内に老廃物が蓄積され、周辺の神経が圧迫されることで頭痛が引き起こされるようになります。頭全体が締め付けられるような痛みと、眼精疲労とともに出やすいのが特徴です。
こうした緊張型頭痛は血流の悪化が原因のため、お風呂やマッサージなどで首周辺を温め、筋肉のこりをほぐすことで痛みが和らぐ傾向にあります。
お風呂に入っても痛みが緩和しない慢性頭痛は、片頭痛の可能性が高いです。
片頭痛は、寝不足や疲労の蓄積、ホルモンバランスの変化などによって脳の血管が拡張したことで起こる頭痛です。脳血管の拡張によって周辺の三叉神経が圧迫され、炎症物質が分泌されることで痛みが引き起こされます。主に片側のこめかみ周辺がズキズキと脈打つように強く痛み、吐き気を伴うことも多いのが特徴です。光や音などの刺激で痛みは悪化する傾向にあります。
こうした片頭痛は脳血管の拡張が原因のため、お風呂やマッサージ、運動など血管を拡張させるようなことをすると痛みが悪化します。逆に冷たいタオルを患部にあて、血管を収縮させる方法が有効です。
またこの他には、コーヒーや緑茶などを飲むのもおすすめです。これらに含まれるカフェインには血管を収縮させる作用があるため、頭痛が起きてからすぐに摂取すると痛みが緩和しやすくなります。
基本的には、頭痛が起きたからといって入浴を中止しなければならないことはほとんどありません。
しかし、風邪や感染症などによる頭痛で高熱がある場合、吐き気や下痢症状が強い場合などは入浴を控えた方がよい場合があります。かえって症状を悪化させてしまうことがありますので、自身の体調をよく見極めてから入浴するようにしましょう。
また、片頭痛による頭痛発作が生じている最中は入浴することで血管が拡張され、頭痛がひどくなることがあります。頭痛発作がある場合は入浴を控えると、シャワー浴で短時間に済ませるなどの対策を行いましょう。
頭痛は大まかに片頭痛と緊張型頭痛に分けられ、それぞれのタイプによってお風呂に入ると痛みが和らぐか、それとも悪化するかは異なります。不適切なケアで悪化させないためにも、まずは自分の頭痛の特徴を踏まえ、どちらのタイプかを見極めることが重要です。
頭痛の原因は症状などからは特定できない場合もあるので、長期化しているものや発熱やはき、しびれを伴うものに関しては病院で診てもらうようにしましょう。