頭皮に乾癬ができるのはなぜ?どんな症状が出てくるの?

2021/1/16

谷口 隆志 先生

記事監修医師

川崎たにぐち皮膚科、院長

谷口 隆志 先生

体のさまざまな場所に皮疹が発生する乾癬ですが、頭皮に症状が現れるのはどのような原因があるからでしょうか?また具体的にどのような症状が現れるのでしょうか?頭皮の乾癬の原因や症状を解説します。

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頭皮に乾癬ができる原因は?

乾癬の原因は未だ明らかになっていませんが、日本の人口の約1%の人が発症するとされています。頭皮にできる乾癬の原因として、以下が考えられます。

遺伝

両親が乾癬を発症している場合、体質が子供に遺伝することがありますが、必ず遺伝するというわけではありません。また、後天的な要因でも発症するとされています。

食生活

脂っこい食事、肥満、生活習慣病などは乾癬のリスクを高める要因となります。

体質

頭皮が赤く乾燥していたり、白い垢が剥がれやすい体質の人は注意が必要です。また、頭皮以外の部位の皮膚にも同様の症状がある場合は、乾癬の疑いがあります。

外傷

乾癬の症状がなくても、皮膚に刺激を与えると発疹ができる場合があります。これは「ケブネル現象」と呼ばれる乾癬の特徴で、些細な刺激でも発症する恐れがあります。

ストレス

肉体的・精神的ストレスによって乾癬が発症することがあります。

頭皮に乾癬ができるとみられる症状は?

頭皮に乾癬の症状が現れると、通常の10倍の速さで皮膚サイクルやターンオーバーが起こります。このため、角質が剥がれたり、炎症が生じたりします。また、頭皮が炎症を起こすと毛根にも影響が及んで抜け毛の原因となります。

頭皮乾癬は症状が類似している脂漏性皮膚炎と混同されることがありますが、ひじやひざに丸くて白い乾燥した発疹がある場合は乾癬の可能性が高いです。また、乾癬の症状の一つに爪の変形や斑点などもあります。気になる症状がみられたら、判断する目安にしてみてください。

尋常性乾癬

乾癬の中で最も発症率が高いのが「尋常性乾癬」で、乾癬の90%はこのタイプだとされています。皮膚にできた赤い発疹(紅斑)が広範囲に拡大し、浸潤・肥厚(皮膚が盛り上がる)、鱗屑(隆起した皮膚の上に銀白色のフケのようなものが付着する)、落屑(フケのようなものがポロポロと剥がれ落ちる)などの症状が現れます。かゆみの症状はある人とない人に分かれ、個人差があります。

頭皮にできた乾癬の治療法は?

頭皮にできる尋常性乾癬の治療では、薬物療法(外用薬・内服薬)や光線療法(紫外線療法)などが行われます。

外用薬
ステロイド外用薬、ビタミンD3外用薬、ステロイドとビタミンD3の配合外用薬などが使われます
内服薬
ビタミンA誘導体(レチノイド)、免疫抑制薬(シクロスポリン)、PDE(ホスホジエステラーゼ)4阻害薬(アプレミラスト)などが使われます
光線療法(紫外線療法)
UVA(長波長紫外線)を使用するPUVA療法、UVB(中波長紫外線)を使用するUVB療法、ナローバンドUVB療法などが行われます
コンビネーション療法
治療効果を高めつつ、副作用のリスクを軽減するため、複数の療法を組み合わせた治療法です
注射療法(生物学的製剤)
他の治療法で効果が得られなかった場合や、関節痛が強い場合に実施されることがあります

おわりに:頭皮乾癬の症状があるときは、医療機関を受診しましょう

頭皮に乾癬が起こると、頭皮の乾燥や炎症、角質が剥がれたり、抜け毛といった症状がみられます。治療方法は症状の程度に応じて異なるので、乾癬のような症状がみられたら、まずは専門外来を受診しましょう。

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