記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/5/28
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
気管支喘息(喘息)の発作が起こると、咳が止まらなくなって呼吸が苦しくなるなどの症状がみられることがあります。発作治療薬などで回復すればよいですが、状態によっては入院が必要になることもあります。ここでは、喘息になったときの入院や退院の目安などについてご紹介します。
気管支喘息(喘息)は、その症状や身体にどれくらい酸素が足りているかを表すSpO2によって「小発作」「中発作」「大発作」「呼吸不全」の4つに分類されます。入院が必要とされるのは、大発作以上といわれています。
大発作では、身体を前かがみにしてかろうじて歩いて呼吸することや、激しい咳などがみられます。さらに症状が進むと酸欠や、唇の色が茶色や薄紫となるチアノーゼを引き起こし、最悪の場合は呼吸停止に陥る「呼吸不全」の状態に進行することもあり、緊急入院が必要とされます。
下記のような症状がみられた場合には、すぐに病院を受診してください。
病院を受診して酸素吸入や点滴などの処置が行われても症状が改善しなかったり、肺炎を併発しているなどの場合には、入院がすすめられるでしょう。
入院期間は個人差や症状にもよりますが、一般的には1~2週間程度といわれています。一度発作が落ち着いたとしても、再度大きな発作を起こす可能性があったり、血液中の酸素濃度(SpO2)が低く、身体に酸素が行き渡っていない状態が続いているなど、さまざまな理由から2~3日での退院は難しいと考えられています。
喘息の発作が治まると、「ヒューヒュー」「ゼーゼー」といった喘鳴が消えて呼吸が楽になります。その後は食欲も回復して、動けるようになるといわれています。このような状態がみられ、呼吸を楽にするステロイド剤を止めたり、酸素吸入を減らすなどの段階を経た上で下記のような状態になると、退院が認められることが多いといわれています。
また入院中には、気管支の炎症を抑えて呼吸を楽にするステロイド剤や、狭くなっている気管支を広げる気管支拡張剤などの薬を使って治療を行います。他にも、症状によっては咳・鼻汁の吸引、酸素の吸入などをして、症状を緩和を目指します。
子供が入院になると親も心配になると思いますが、症状が治まり退院を認められるまではきちんと医師の指示に従い、治療に専念できるように子供を見守り支えてあげましょう。
喘息は環境や個人差によって、症状が強く現れる場合もあります。この記事を参考に、辛そうな症状がみられる場合には、速やかに病院を受診しましょう。