甲状腺機能低下症の食事で気をつけることは?

2018/5/30 記事改定日: 2020/5/22
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

甲状腺機能低下症とは、甲状腺の機能低下によって甲状腺ホルモンが正しく作り出せなくなってしまう病気です。治療のためには、食事療法が重要になってきますが、どのような食事を摂ればいいのでしょうか。
この記事では、甲状腺機能低下症の人の食事の注意点について説明しています。

甲状腺機能低下症の食事で気をつけることは?

甲状腺機能低下症の方が食事で最も気をつけなければならないのがヨードです。
ヨードとはヨウ素ともいわれ、身体にはなくてはならないミネラルです。
実際に健康食品の多くにヨードが含まれています。

ヨードは甲状腺ホルモンの主原料となり、甲状腺の中にヨードが取り込まれることで甲状腺ホルモンが作られます。
ヨードは甲状腺ホルモンを作るために必要であり、健康に欠かせない栄養である一方、過剰に摂ってしまうと甲状腺ホルモンが作られなくなってしまうという特徴を持っています。
そのため、もともと甲状腺機能が低下している人はヨードの摂りすぎに注意しなければなりません。

ヨード(ヨウ素)はどんな食べものに多く含まれているの?

ヨードは、日本人が口にする食品の多くに含まれています。とくに多く含まれているのが海藻類で、なかでも昆布は群を抜いて多く含まれています。
生の昆布だけでなく昆布の加工品(佃煮、漬物、おかしやおつまみなど)にもヨードは含まれていますし、昆布出汁を使用している調味料や昆布茶などにも含まれています。

昆布以外でヨードが含まれているのは以下の食べものです。

  • ひじき
  • わかめ
  • のり
  • 寒天
  • ところてん
  • もずく

また、普通の卵はヨードの含有量は少ないもののヨード卵®などのようにヨードが多く含まれているタマゴもあり、少量ではあるものの肉や魚にもヨードは含まれています。

甲状腺機能低下症の人におすすめできる食べものは?

甲状腺機能低下症では代謝機能が低下するため、ビタミンB群(ビタミンB1、B2、B6、ナイアシンなど)やミネラルを摂り、エネルギーを作る必要があります
甲状腺機能低下症の改善に役立つと考えられている食べものには以下があります。

主食
  • 玄米、玄米発酵食品
  • 分づき米
  • 全粒粉で作ったパンや麺類
  • その他の未精白穀物
豆類
  • 大豆、納豆などの大豆製品
  • アーモンド など
野菜類
  • かぼちゃ
  • 春菊
  • ほうれん草
  • 小松菜
  • にんじん
  • あしたば
  • なずな など

亜鉛を多く含む牡蠣などの魚介類も代謝機能向上に役立ちますが、魚介類はヨードを含むため食べすぎには注意しましょう(通常の量=1日に魚の切り身1切れ程度であれば問題ないとされています)。

控えたい食べもの

甲状腺機能低下症の人は、アルコール、カフェイン飲料、白砂糖を控えたほうが良いとされています。
また、菜の花、京菜、青梗菜、ター菜、白菜、蕪、大根などのアブラナ科に属する野菜は、ゴイトロゲンと呼ばれる抗甲状腺物質が含まれています。食べ過ぎると甲状腺機能低下症を悪化させる可能性があるといわれているので、食べ過ぎには注意しましょう。

甲状腺機能低下症の人が外食やテイクアウトするときに注意することは?

甲状腺機能低下症の方は、上で述べたような食材の摂りすぎには十分注意する必要があります。海藻類やアブラナ科の野菜を多く含むもの、砂糖を大量に使用したデザートなどは、外食やテイクアウトのときも控えめにするようにしましょう。

また、甲状腺機能低下症は身体の基礎代謝が低下する傾向があり、カロリーを摂りすぎると体重が増えやすくなります。外食やテイクアウトの食事はカロリーが高めなものが多いため、できるだけヘルシーで適正カロリー内におさまるようなメニューを選ぶよう、十分に注意してください。

おわりに:甲状腺機能低下症の人は外食やテイクアウト、和食に注意しよう

甲状腺機能低下症の方はヨードを含む食品を過剰摂取すると病状を悪化させてしまう可能性があります。昆布やヒジキなどの海藻類にはヨードが多く含まれているため過剰摂取への注意が必要です。

昆布に至っては日本人の食生活でエキスとして外食や冷凍食品など幅広く使用されており、甲状腺機能低下症の場合は控えていきたいものです。
また、甲状腺機能を改善させる食品もさまざまあるためうまく選択しながらバランスよく摂取し、甲状腺機能低下症の改善に役立てていきましょう。

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