記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/6/6
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
親子や兄弟間で、同じ物質に対して鼻炎や皮膚炎などのアレルギー反応を起こしやすい傾向が見られますが、実際のところ、アレルギーは遺伝するものなのでしょうか?
今回はアレルギーの遺伝性について、アレルギーが遺伝するものなのかどうか、アレルギーの発症を抑えるためにできることはあるのか、解説していきます。
親にアレルギーがあるからと言って、必ずしもその子供にアレルギーが遺伝するというわけではありませんが、アレルギーになりやすい「体質」は遺伝すると言われています。
このため、親または兄弟にアレルギー発症者がいる子供は、そうでない子供に比べてアレルギーを発症する確率がかなり高くなるというデータがいくつか報告されていますが、アレルギーと遺伝の関係はまだ完全に解明されてはいません。
あくまでも、アレルギー反応が出やすい「体質」が遺伝すると考えた方がいいでしょう。
前述したように、親にアレルギー体質があった場合、遺伝的にアレルギー体質を持つ子供が生まれやすいのは事実です。
しかし、もし遺伝的にアレルギーになりやすい体質を持っていたとしても、実際にその子がアレルギーを発症するかどうかは、遺伝よりも環境的な要因が大きいと言われています。
このため、親や兄弟にアレルギー発症者がいて、アレルギー体質が遺伝した可能性があったとしても、生活環境に気を付けてあげれば発症を抑えることも可能なのです。
また、アレルギーのなかでも食物アレルギーの発症には遺伝の影響が少なく、子供本人の体質や生活環境など、後天的な要因で発症するケースが多いとされます。
一般的に、妊娠中の食事などが原因で子供が食物アレルギーを発症することはありませんので、アレルギー発症を防ぐために母親が食事制限する必要はないと覚えておきましょう。
親のアレルギー症状がそのまま子供に遺伝するわけではありませんが、アレルギーを発症しやすい体質が遺伝することは確認されています。ただし、先天的なアレルギー体質を持っていたとしても、実際にアレルギーを発症するかどうかは、生まれた後の生活環境など後天的な要因に大きく左右されます。アレルギー体質のある親は、子供がアレルギーを発症しないよう、生活環境に気を配ってあげてくださいね。